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10年目の恋
【ファンタジー 官能小説】

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月夜の雫-6

「突然のお電話で申し訳ありません。
わたくし、宇野さんと一緒に働いております長谷川と申します」

お昼休みにしか携帯が見れないあたしの事情を知っているかのように
12時3分に電話が鳴った。

いつもは知らない番号からは取らないんだけど
今日出社する前に「何かあったら電話して」と
ポチに番号を教えてあったから
もしかしてポチかな・・・と思ったのに。

「仕事でどうしても宇野さんのデータが必要になりまして。
UKの宇野さんに問合わせましたところ、UKに持って行ってなく
ご自宅にあるそうなんです。吉川様が宇野さんのご自宅の鍵をお持ちだそうで。
本来なら宇野さんからご連絡を差し上げなければ失礼かとは思ったのですが
宇野さんは今電話が出来ない状態ですので申し訳ございません」

あたしの返事を一切待たずに相手はここまで言い切った。
UKね・・・ユーケー・・・ユナイテッドキングダムだぁ?
イギリスって普通に言えよ!イギリスってよ!

と、女子には似合わない口調で心の中で叫んだが
問題はそこじゃない。
徹はイギリスに行ってるわけね。知らなかった。
で?徹の部屋にデータがあるからあたしに取りに行けってこと?

「あたしも仕事してるんですが?」

これだから、一流会社のやつは・・・
自分たちの仕事が何より大事で優先させるべきものだと思ってる。





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