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10年目の恋
【ファンタジー 官能小説】

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月夜の雫-5


「帰らなかったの?」

平静を装って靴を脱ぐ。
「あと数日だけ。泊めて。オヤジに本気だって示さないと!
夕飯は俺がつくるから!ダメ?」

背が高いくせに。
目の前に座り込んで上目遣いでこっちを見た。
ちくしょ・・・可愛いなっ。

「す。数日だよ。ちゃんと帰りなさいよ?」

すんなりと許してしまった自分にびっくり。
徹、ごめん。
あんたが帰ってくるまでには家に返すから・・・
と、変な言い訳を心に誓った。

「夕飯は、セロリチャーハンですよ〜」
「昨日と同じじゃん!」
「だって、材料がなかったんだもん」
「あ〜。帰ると思ってお金置いていかなかったね。ごめん」

なんだかすっかり飼い主気分。
「最後にお醤油を垂らすと風味がいいわよ」


その日も、あたしたちは二人ならんで
満月から1日たった月の光を浴びながら寝た。





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