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Purple woman
【二次創作 官能小説】

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Purple memory-25

島島島島島島島島島島島
【追録】



―――ジェクトがホテルに到着したその日の夕方、

“彼”はスピラホテルでの宿泊を終え、左手に小型のトランクを持ち、
チェックアウトの手続きの為ロビーに赴いていた。



ロビーには宿泊客の姿が数組ほど見受けられたが、
幸いにもフロント周辺には客の姿はない。


担当者にカードキーを返し必要な書類に手早く署名する。

3ヶ月前には自らの署名1つにも気を遣ったものだが、再び島に足を運んでみて
その懸念がないことを実感していた。


あの“失踪事件”も既に島ではそこまで話題にはならなくなっているということを。






「行ってらっしゃいませ、良い旅になりますよう」



「ああ・・・・3か月前は “狩り”に明け暮れたが、今回は散策だけだったから色々島のあちこちを回れた。

家に帰って“鳥の世話”をしないとな」



「鳥、ですか・・・・さぞ見事な鳥なんでしょうね」



「・・・ああ、素晴らしいよ。あの独特の“鳴き声”と“肉付き”、そして“紫色の毛並み”が何とも・・・・・早く帰って思う存分堪能したいな」


フロント係のお世辞と社交辞令に対して意味ありげな笑いを向けると、
彼は右手を上げると後ろを振り返ることなく、
ホテルの正面玄関に向かった。











―――タクシーを降りたジェクトがスピラホテルの正面玄関の自動ドアをくぐった時、

入れ違いにホテルから出ていこうとした男とすれ違った。

勿論ジェクトにとっては面識もなく、
互いにチラリと視線を交わしただけだった。

もしジェクト自身すれ違った男の印象を思い出そうとしても、はっきりと記憶すらしていなかった。


唯一脳裏にこびりついていたのは、
男の首から垂れ下がっていた銀色の“フクロウのペンダント”の輝きくらいだった。




だが実は2人には互いに知らない“共通点”があったのだ。



“過去”と“現在”という時期の違いはあれど、

同じ女を堪能していたという“共通点”が―――――






――― 完 ――――


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