Purple memory-18
「ありがとう・・・・」
「ん?」
「ワッカと結婚する前に・・・・女の悦びを教えてくれて・・・・」
「・・・・・・」
ルールーの囁きは、ジェクトの考えに対する答えではなかった。
だがジェクトにとってみれば彼女の答えには正直興味はなかった。
結局は彼女とワッカの問題だし、
彼にとっては寧ろ彼女とこうしていられるこの瞬間こそ重要だったから。
そんなジェクトの気持ちを反映してか、
彼の下腹部で萎えていた肉棒がムクムクと起き上がる。
そして彼に股がるルールー自身もそれに気づき、
口許に艶然たる微笑みを浮かべる。
彼女自身もそれを望んでいることは、肌を合わせているジェクトにはひしひしと伝わってくる。
ルールーの両手がジェクトの首元に回され、
のしかかってくるルールーの乳房がジェクトの胸板に力を込めて押し付けられた時、
2人の唇は再び重なった―――――
“―――ブゥゥゥゥ・・・・ブゥゥゥ・・ブゥゥゥ・・・・・”
ベットの傍らの椅子の上にくしゃくしゃのまま放り投げられていたルールーの衣類の束が、
独特の震動とともに微かに揺れている。
―――ギッ・・・ギッ・・・・・ギッ・・・
一方で不規則な調子で軋むベット。
狭い室内にはいつしか当初感じられなかった熱気と体臭が満ちている。
「あッ・・・・くっ・・・んっ・・・」
「・・・・・」
やがてベットの上からニュウッと右手が伸び、
椅子の上にある衣類の束をまさぐり始める。
濡れた女物の服の持ち主とは思えぬ隆々とした筋肉日焼けした右手が掴み出したのは、一個の携帯電話。
男の右掌の中にあって震動を続ける携帯電話の液晶に表示されているのは、
今男の下で喘いでいる女の彼氏の名前。