月夜の晩-6
「何もしない?」
徹は・・・今のあたしを見たら
高校生(だと思う)相手に何心配してんだよ。と笑うだろうか?
男を泊める気?と呆れるだろうか?
どっちにしろ、徹はここにはいない。
明日からは日本にもいない。
だんだん、この子を泊める事に「いいか」と思いだした。
「俺、犬だよ?」
柔らかく笑った顔は月に映えて綺麗だった。
何故か。この子が私にエッチなことをするとは思えなくて。
保証とかそんなものは何もないし
どこの誰だかわからないし
年齢だって中学生かもしれないし大学生かもしれない。
まぁ、あたしより歳下なのは確実だけどさ。
徹が聞いたら頭ごなしに怒られそうだけど
怒る徹は今ここにはいない。
なんだか泊めてもいいような気がする。
「ポチ。おいで」
あたしが差し出した右手をポチが優しくつかみ返した。