平凡容姿のハーフエルフ-5
キャミソールの裾を捲り上げられ、小さな胸を包む下着が晒される。
ボーダーラインの簡素なブラは、我ながら色気の欠片もない。
背中と敷布の間に滑り込んだ手が、ホックを簡単に外す。尖った薄桃色の先端を口に含まれ、ひゅっと息を吸い込んだ。
「ふっ!あ、あぅ……」
引き剥がそうと伸ばした手は、暗灰色の髪に力なく指を絡めているだけだ。
胸の先端を刺激されるたび、ぬるぬるした体液が、意思と無関係に身体の奥から溢れだす。
ショーツが湿り気を帯びていくのが、恥ずかしくてたまらない。
下半身の衣類を剥ぎ取られるのを、必死で止めようとした。
「やっ、だめっ!」
両手首をがっちり掴まれ、頭上で一まとめに押さえられる。もがいてもビクともせず、鋼の輪で拘束されているかと思うほどだ。
濡れた下着を見られ、あまりの羞恥に顔をそむけた。
「は、恥ずかしいのに……」
「どうして?」
濡れて張り付いた部分を指でなぞられ、息を飲む。
「ひっ、あ、あ、あ……」
強弱をつけて押され、そのたびに喉から短い声が漏れた。
「や、ぁ……だ……せ、せんせ……」
「ギルだって」
布の脇から潜り込んだ指に、秘所を直接なぞられる。
「ああっ!!!!」
思い切り喉を反らし、悲鳴のような声をあげた。突っ張った両足がビクビク震える。
今度は体内に差し込まれ、粘着音をたててかき回される。
敏感な肉芽を、体液を塗りつけるようにしごかれ、身体の奥不覚の疼く場所から、何かがせりあがってくる。
激しく頭を左右に振り、歯を喰いしばった。下肢を嬲られる合間に、鎖骨や首筋へ軽く歯をたてられる。
また唇が合わさった時に、全身を快楽が突きぬけ、まぶたの裏が真っ赤に染まった。
背中が大きく弓なりに反り、信じられないほど汗が噴き出る。
ドクドクと全身が脈打ち、何も考えられない。
短く浅い呼吸を繰り返し、呆然とシーツに沈む。
「エメリナ……すごく可愛い」
額に張り付いた前髪を払い、ちゅっと唇を落とされた。
「あ……あ……」
舌も脳も痺れて上手く動かない。また何度も下肢を嬲られ、甲高い声で繰り返し絶頂を知らせた。
両手の拘束が、いつのまに解けたのかもわからない。シーツを両手で握り、嬌声を上げつづける。
しまいに覆いかぶさっていた体が離れ、小瓶の蓋を開ける音がした。
取り出した錠剤を、ギルベルトがガリッと噛み砕く。
「避妊薬は飲んだから、安心して」
男性が飲む避妊薬は高いし味も不味いので、今では女性用の避妊薬が主流だ。
それだってあまり美味しくはないけど、最終的にリスクを負うのは女だから、切実度が違う。
初めての時、相手の男もエメリナに飲めと、当然だという調子で言った。
茹った頭の片隅で、不意にそんな事を思い出した。
しかし熱い塊が脚の間に押し付けられ、過去のどうでもいいことを霧散させる。
「はっ、あ、あ……」
濡れそぼり蕩けきっているのに、侵入を始められると、あまりの圧迫感に息がつまる。
少しづつねじこまれ、痛み混じりのジンジンした痺れがエメリナを襲う。
腹の中を、熱い凶器で食い荒らされるようだ。
夢中で両手を伸ばし、ギルベルトの首筋にしがみついた。
「や、せんせ……ギル……」
「やっと呼んでくれた」
薄く目を開けると、目の前でギルベルトが笑っていた。いつもの人懐こい大型犬のような笑顔ではなく、獰猛な捕食者の笑みで。
犬歯の覗く口が軽く開いた。
一瞬、鋭い牙で喉を食い割かれる自分が脳裏に浮かぶ。
怖いのに、やっぱり逃げたいと思えない。
妄想は現実にならず、唇が合わさる。舌を絡めると、まだ薬の苦味がかすかに残っていた。
知らずに大きく脚を開き、根元まで迎え入れる。
中をかき回され、ぐちぐちと粘質音があがる。膣内で感じる摩擦の刺激に、悲鳴じみた喘ぎ声が止まらない。
がむしゃらに腰を打ち付けられ、エメリナの細い体が揺れる。
暗い室内に、二つの荒い呼吸が満ちる。
呼吸音と身体のぶつかる音と、体液の攪拌される水音、それからひっきりなしにあがるエメリナの嬌声。
いやらしい音たちに聴覚を刺激され、余計に感度が高まっていく。
何度も達した中が、ヒクヒクと痙攣を繰り返す。
腰を抱えなおされ、最奥を激しく突かれた。
数え切れないほど散った火花に、また目が眩む。覆いかぶさる男に両手足を絡め、全身でしがみついた。
全身で体内の雄が膨らみ、熱い大量の液が注ぎ込まれる感覚に、幾度も震える。