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果葬 ―かそう―
【その他 官能小説】

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―13―-2

 スタンガンをちらつかせる男を前に、彼女はとうとう自らスカートの中に手を差し込んで、白いショーツを脱ぎ取った。
 そして渡された小瓶から透明な液体を指ですくい、陰部に塗布していく。

 男はスカートを乱暴にまくり上げて、彼女の様子を凝視しながら何かを言っている。

 ひとしきり人妻の淫らな様を観察すると、男は満足げな足取りでドアから出て行った。

 ふたたび一人になった青峰由香里は、恐怖と羞恥にたえながら大人しく座っている。
 そんな彼女に異変が起こるまで、1分とかからなかっただろう。
 固唾を飲んで映像を見守る一同の目にも、その変化は明らかだった。

 彼女はまず自分のひたいに手をあてて、それから気怠そうに肩を上下に揺らし、太ももをすり合わせる仕草をした。

 全身に熱を感じるのか、シャツの胸元を摘まんであおぐと、今度は靴下を脱ぎ捨てる。
 頬が紅潮しているのは化粧のせいではなさそうだ。

 今はとにかく肌を露出させたい気分なのだろう。
 シャツのボタンを外したあと、その美しすぎる被写体は、ブラジャーにスカートというなんとも破廉恥な姿に変貌したのだ。

 カップからこぼれ落ちるほど肥大した乳房や、女らしい体のラインを保った所々は、およそ産後の体とは誰も想像がつかない。

 肩を抱いたり、太もものあいだにスカートを挟んだりと、その場しのぎの行動がつづく。
 見えないものに翻弄されながら、次に彼女は四つん這いの姿勢をとった。

 催眠状態にあるような朦朧とした表情。
 その唇が何かをささやいた時、魔が差したように彼女の右手が陰部へと下りた。

 カメラは青峰由香里の顔を捉えている。
 口元がゆるむたびに、下唇を噛んで自慰行為に耽る。

 右手はおなじ動きをくり返し、支える左手は床に爪を立てる。
 それでも物足りないのか、右手を股間にあてたまま体を返して、彼女はこちらに向かって脚を開いた。

 それはもう刑事の職務を忘れてしまうほど生々しい光景だった。
 日常の中にあって、しかし誰の目にも触れることのない秘め事が、こうやって隠すすべもなく繰り広げられているのだ。

 もはや性の対象として見ずにはいられない。
 清い指が、清い膣内をこねくりまわし、清い愛液を吹き出させている。

 彼女はそこをのぞき込み、汚らしいものを見る目で嫌悪感を露わにした。
 手首にすじを浮き上がらせて、リミッターを振り切るように自らを追い込んでいく。

 ばしゃばしゃと潮が飛び散った。
 一気に上り詰めて、はつらつとした肢体に痙攣がおそいかかる。

 悔しそうな表情を見せているのは、絶頂した時の彼女の特徴なのだろう。

 けれども燃え尽きたわけではなかった。


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