美しき姦婦たち-6
美緒はクリトリスに当てているうちに間もなく小さな痙攣に震えた。とても敏感な娘である。
彩香にも一通り施したところで、
「義兄さん、面白いこと考えたの」
真希子が笑って言う。
「あたしが思いついたのよ」
美緒が得意げに言う横で彩香は笑いをこらえて口を押さえた。
「ロシアンルーレットって知ってるでしょ？」
何かの映画で観たことがある。
「拳銃に一発だけ弾をこめて順番に撃つやつか」
「そう。それをやるの。面白いでしょう？」
意味がわからない。
「どういうこと？」
彩香が坂崎の股間を指さした。
「小さくなってきちゃった」
話しているうちにうなだれてきたのだ。
「大丈夫。すぐ硬くなるわ」
真希子は座り込み、ペニスをつまむとおもむろに顔を近づけて頬張った。
「お、おい」
娘たちが見ている目の前で大胆なフェラチオを開始した。
さすがの美緒も驚いたようだ。
「ママ、すごい……」
握った手にひねりを加え、舌の変化も縦横にぬらぬらと動く。唾液が流れてくちゃくちゃと音を立てる。瞬く間に怒張した。
「あたしもやりたい」
美緒である。
「いいわよ」
足もとに来て、真希子に代わって亀頭をすっぽり咥えた。その後ろにはすでに彩香が控えていてその様子を覗いて釘付けになっていた。
（ああ……こんなことがあるのか……）
坂崎は自分の一物が独立した別の物体のように思えてきた。だが快感はじわじわと広がっていく。
彩香の舐め方が拙いだけにかえって新鮮だった。
「こういうことか、ロシアンルーレット」
「ちがうわ。ちゃんと挿れるのよ。そしてね、ひとり十回ずつ動かして交代していくの」
「三人順番に？」
「そう。あたしも美緒も彩香も次々入れ替わって、義兄さんは我慢するの」
（そんな……）
笑うしかない。
「本当は当たったら負けなんだけど、この場合は義兄さんを射精させたら勝ちなの。それだけ感じさせたってことだから。ただし一巡目でイッたらだめよ。ウォーミングアップだから、それで出ちゃったらゲームオーバー。やり直し。夜は長いから」
「勝ったらどうなるの？」
「何か賞品」
美緒と彩香ははしゃいでる。
「そうねえ、どうしようかしら」
意味深長な口元をみせた真希子はちょっと考えて、
「明日の夜、彼を独り占めっていうのはどう？」
「わあ、それすごい」
「でも、もし負けたら最悪じゃん。やっぱりみんな一緒がいいよ」
「まあ、それはあとで考えましょ」
坂崎の笑いが消えたのは自身の気持ちが異様に燃え立ってきたからだった。
（セックスがゲームになる……ゲームにしてしまう……）
そう考えたとたん、めらめらと燃えてきたのである。
（三人が代わる代わる挿入してくる……）
何回でもいい。ゲームオーバーになってもかまわない。リセットして、もう駄目だというところまで出し切ってやる。
「ママからいくわよ」
仰向けになった坂崎に真希子が乳房を揺らして跨った。やや前のめりになって宛がう。後ろでは二人の娘がその瞬間を覗きこんでいる。
ぬるっと先端が呑まれると一気に沈んだ。
「むう……」
「すごい……全部入った……」
彩香が溜息混じりの驚嘆の声を洩らした。
「見てるだけで感じてくる……」
美緒の掠れた声だ。
「いくわよ」
腰を上げて抜きながら、真希子は精いっぱいに締め付けを加えてその圧迫のままゆっくり落とした。
「くっ……」
真希子の筒は生きていると思った。単純な抜き差しではない。一挿し一挿しに気が入っている。
「ママ、あと四回よ」
顔は紅潮している。
「コンドーム着けた方が……」
坂崎の言葉に真希子は息を乱しながら、
「一巡目はこのまま……スタートの時に。……義兄さん、そこまでは頑張って。むうう……」
「真希子は最奥部まで押し込んで、また締め上げてきた。
「ママ、張り切りすぎじゃない？」
「伯父さん、ゲームオーバーはいやよ。あたしの番までがんばって」
美緒のはち切れそうな裸身とキュートな彩香の体が左右に座って待ちかまえている。薄い秘毛が白い肌に張り付いて悩ましい。視覚からも刺激が入って性中枢が混乱してしまいそうである。
上に跨っている真希子を見上げて。はっとした。快感に歪んだ顔が陽子に見えたのである。結合部を覗く美緒と彩香の恍惚とした面ざしも『アノ時』の陽子の表情にそっくりだ。
（この三人は陽子だ……）
「ママ、ゆっくりすぎるよ」
美緒の妖艶な笑みが彼に向けられた。
「つぎはあたしよ」
（陽子……）
坂崎は衝きあがってくる快感に懸命に耐えながら、脳裏に浮かぶ妻の幻影を追いかけていた。