第一章 ポンプ-30
「うぎゃあああああっ!」
「きゃっ! 痛そう」
「当たり前だろ! 千切れそうだ! はずしてくれっ!」
「でも、オチンチンはしっかり立っているわよ。あああっ! また感じてきた! いいわよ、ご主人様の断末魔のオチンチン最高っ! ああああっ!」
激しく腰を振り出して再び小宮山も激しく揺さぶられる。
「いっ! 痛いよ! ペニスの感覚もなくなっているよ! 頼むよ、やめてくれっ!」
「あっ! あっ! いいいっ! もうっ! いっ、逝くうぅっ!」
髪を振ってガクガクと小宮山の巨体に崩れ落ちていった。
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「うぎゃあああああっ! 頼む止めてくれぇっ!」
冴子は小宮山のもう片方の乳首にもファイルクリップを噛ませた。小宮山が激痛に顔を歪ませて身体を硬直させて耐えている。だが輪ゴムでコックされたペニスは締め付けられたまま、依然膨張を保ったまま冴子のバギナに収まっている。
「痛いよおぉっ! お願いだからはずしてくれぇ。乳首がちぎれそうだよぅ。ペニスに感覚がなくなっている。お願いだからやめてくれっ!」
「いやん、ご主人様。冴子、折檻されちゃうわ」
冴子は演技しながら腰を擦り付けるようにして、絞めこまれたペニスを貪っている。だがペニスが壺壁を擦り、蕩ける快感からくる表情は決して演技ではなく冴子の瞳を酔ったような潤みをおびさせている。苦しみ悶える小宮山に跨り、その表情を見ながら淫することの優越感にひたっていた。
その優越感と自らがペニスを吸い上げている快感と繋がり今までに感じたことのない欲情へと変化していった。だんだんと腰を振りつける速度があがるにつれ、今までの呆けたような顔から下僕を扱うような顔が混ざってきた。
「今までのことを謝って」
うって変わって冷たい声で小宮山に宣言した。だが激痛にのたうつ小宮山は冴子の変化には気がつかず、痛みから逃れたい一心で叫んだ。
「悪かった! 俺が悪かった! だからっ! はやくぅっ!」
バシッ!
頬をひっぱたく音と共に冴子の冷ややかな声が小宮山を目覚めさせた。
「悪かったじゃないでしょ。ごめんなさい、と言いなさいよ」
苦痛に歪ませた顔で下から冴子を見ながら小宮山はちょっと驚いたような表情を交えながら答えた。
「――ごめんなさい……。な、言っただろ、もう許してくれ!」
バシッ! バシッ!
「何よその言い方っ! ふざけんじゃないわっ! くっ! いいっ! 豚のチンコ、最高だわっ! ああああっ!」
冴子の腰がしゃくり上げて貪り続ける。
「あっ! いいいっ! 謝れ、もっと謝れ! くうううっ! 逝きそうっ!」
「ごめんなさいっ! もうしないよっ! だからっ!」
「うううううんっ! だめ、だめ、だめっ! だめえええっ!」
拳を振り上げて小宮山の顔面に思いっきり振り下ろすと同時にスパークした。
「痛てええええっ!」
「……あぅ……あっ、ああああ……」
硬直の治まった冴子の目に鼻血を流した小宮山の顔がうつる。その哀れな姿に同情するどころか、もっとひどい目にあわせてやりたい残酷な気持ちがわき出ていた。
「この豚野郎、汚い血で私の手を汚しやがってぇっ!」
「ごめんなさい、もうしないよぉ、折檻もしないから……」
「当たり前だぁっ、このぉっ!」
泣きながら鼻血を流している、むくんだ小宮山の顔面に拳を連打した。鼻から流れ出た血液が小宮山の顔面を朱に染め、シーツにも飛び散った。一変して凄惨な状況になってしまったが、冴子は臆するどころかゾクゾクとしたモノがこみ上げてくるのを感じていた。苦痛を与えていることに異様に興奮を覚えているのだ。そして、単なる謝罪ではなく自分にひれ伏すまで攻撃したい衝動を抑えられなくなってきた。
「死ね! 死んでしまえ! お前のように醜い男など見たくもないわっ!」
肉を叩く鈍い音が続き、その合間合間に小宮山の悲鳴と謝罪の声が入り混じっていた。
連打する拳の雨がふりそそぐ中、顔面をそれた手がベッドに転がっていたコントローラーのボタンを押したようだ。小宮山の胸のあたりが操作されたポンプによって、グッと持ち上がってきた。
「ぐわああああっ! 苦しいっ!」
身体の硬い肥満体が無理やり押し出され、羽交い絞めにされている。その無残な姿を見たとたん暴力のエクスタシーに脳が錯乱していった。
「あああああっ! いいっ! すごくいいっ! このっ! このっ! やっつけてやるっ! あっ! あっ! 狂うっ! くっ! 狂っ!」
身体全体をしならせて腰を連打しながら罵っているうちに、とてつもない欲情の渦に巻き込まれ冴子は狂っていった。
気が付くとコントローラーが小宮山の顔の横に転がり落ちていた。血まみれの口で小宮山が震える声で言った。