第一章 ポンプ-23
「いやっ! 止めなさい!」
片方の手で乳房を搾り上げて、壺から蜜を掻き出すように指がえぐりながらクリを擦り上げている。阻止する冴子の手から力がぬけてゆき、腿が細かく痙攣し始めた。
「クッ! ああああああっ! いやああああっ!」
「マンコがクチュクチュ音をたてているぞ。今まで躾けを受けに来なかったお前に、いっぱいお仕置きをしてやるからな。クククッ!」
耐えきれずにその場に崩れ落ちた冴子におかまいなく、小宮山は被さったまま、手さぐりで蜜壺を掻き出している。激しく出入りする指に膣壁とクリトリスを擦られて冴子は早くも絶頂をむかえた。グッタリとして時々身体を震わせる冴子を見下ろして小宮山はネットリと蜜の絡んだ指を舐めていた。
下着姿にした冴子を立たせて、パンツ一丁に靴下といういでたちの小宮山が車輪の廻りが悪いワゴンでガタガタと音をたてて何か機械を運んで簡易ベッドの脇につけた。そのワゴンの上に載っているポンプを見た冴子の顔色がみるみる変わっていった。
「お願いです……。そのポンプ、それだけは勘弁してください……!」
押し殺したような声で冴子は下を向いたまま小宮山に訴えた。
小宮山は冴子の前に椅子を置き、ふんぞり返って見つめていた。
「ポンプはそんなに嫌いか?」
ニヤニヤしながら小宮山がうつむいたままの冴子の顔を覗きこむ。
小宮山の制作したポンプは実に女の弱点をついた猥雑な機械だった。敏感な箇所をポンプで繋がれ吸引されると、いつまでも逝き続けなければならない。その姿は家畜に貶められたような惨めな恰好だった。際限なく続く絶頂は、女のたしなみを捨てさせ人間の尊厳さえも失い、牝の淫獣と化してしまう。ただひたすら叫び、喚き散らして髪を振り乱して悶え狂う。その過程で苦し紛れに小宮山の誘導されるままに淫らな言葉を言わされ、思わぬ懇願すら口にしてしまった。
「はい、ポンプは大嫌いです」
「気持ちよさそうだったぞ」
「違います! そんな破廉恥な機械、大嫌いです!」
「そんなに嫌いならしかたない。じゃあ、他のお仕置きを受けさせるが、それに耐えられなければポンプがまっているぞ」
小宮山は物わかりのいい優しげな表情をつくって答えた。極限状態におかれた冴子は小宮山の妥協に安堵の吐息をもらせた。
立ち上がった小宮山は室内に張られた物干し用のロープから洗濯バサミを外した。
「これでお前の乳首をはさんでやる。まずはこれに耐えてみせろ」
冴子は安堵に緩んだ表情を再びこわばらせた。家事全般をこなす冴子にはその強度なアゴをもった洗濯バサミに可憐な小粒を噛ませることなど、とても不可能なことに思えた。だがここで早々と白旗をたてることは即悪魔の装置の餌食になることだった。口の中に溜まる唾液を呑み込みながら、両手に洗濯バサミを持った小宮山が迫ってくる恐怖におびえていた。
白いブラのカップを絞り上げられるとたちまち乳首が存在感を表す。ブラの上からシコリを確認するとゆっくりと洗濯バサミの口を開き強力な締め付けで摘まみ挟んだ。
「痛うっ! いっ、痛いですぅ!」
「もう一つも留めてやるぞ」
「くぅっ……! 赦してください!」
「すぐに躾けを受けに来なかったことを反省しろ」
「します! します、反省してます!」
「だめだ。おそい」
「くあああああっ!」
両方の乳首が容赦のない力で摘ままれた。ブラのカップの頂点に洗濯バサミが突き立っている。冴子は驚いたような表情で自分の胸元を見つめながら痛みに耐えている。
「我慢しろよ。今から外してやるからな、ぐふふふっ」
「は、早くっ! お願いします!」
短く息を抜きながら引き攣った声でいう。
ブラのフロントフォックを外した小宮山は薄笑いをうかべて、外れたカップのつなぎ目を摘まんだ。そのまま開帳するように少しづつ左右にカップを開いてゆく。
「うぐっ! ぬうううううっ!」
小宮山の悪意を知った冴子は痛みに拳を握り閉めたまま身体を固くしたまま棒立ちになった。カップの上から噛みつかれたままの乳首が悲鳴をあげている。だんだんと開いてゆくブラの内側では乳首が左右に引っ張られるまま不自然な形に乳房が変形した。
「冴子、『ごめんなさい』といってごらん」
小宮山が満面の笑みで冴子を見ている。
「くぅっ! ご、ごめんなさいっ!」
「『いけない冴子をお赦しください』だ」
「いけない冴子を、お赦しくださいっ! 早くはずしてえっ!」
「ほ〜ら、もうちょっとで外れるよ」