嵐-3
チョロチョロと流れ出る小水が、洗面器に落ちた。洗面器にできた水たまりを確認したミスターが、高笑いをし始めた。
ミスターの高笑いの腕の中で、アキラは共に揺られていた。
「さあ、立ちあがって。今度はこの椅子の上に跨るんだ」
二つの背もたれの無い丸パイプいすが間をあけて置かれていた。
アキラは言われるままに、パイプいすにあがった。ミスターを見降ろす格好になった。
「そのまましゃがめ」
しゃがむと逆にミスターに見降ろされる高さになった。
ミスターが器を手にしてやってきた。
器の中に透明なローションが入っている。それに太目の筆を突っ込んでかき回した。
筆を持ち上げると透明な液体が、ツツッと糸を引いていた。
たっぷりとローションをなじませた筆先で女の乳首を転がし始めた。
ボリユームたっぷりの毛筆がローションを含んで、サワサワと乳首にまとわりつく。
毛筆が繰り返し乳首を舐める。たちまち硬い蕾となった。
「どうだ。気持ちいいだろ。私の云う通りに言ってみろ。『厚生省麻薬取締官・中條アキラ、乳首が敏感です』さあ、言えっ!」
「……」
「言えないのか。また明日から浣腸の嵐を受ける覚悟だな!」
「厚生省…麻薬取締官…中條アキラ……乳首が…敏感」
「『です』をつけろ。ほれ、もう一度言ってみろ」
「厚生省麻薬取締官・中條アキラ……乳首が敏感です」
筆がその間も、休むことなくヤワヤワと乳首を転がしている。
「ようし、良く言えたじゃないか、うはっはっはっ!」
「次はこうだ。『厚生省麻薬取締官・中條アキラ、乳首が感じてます』、だ」
「厚生省麻薬取締官・中條アキラ、ち、乳首が感んじてぇ、ますっ」
「うははっ!本当に感じ始めたな、この牝犬めが」
ミスターが胸に顔を近づけた。尖った舌先で蕾を下から撫ぜ上げた。
片方の蕾を指で摘みながら転がしている。
「さっきと同じように言え。『乳首を吸われるのも好きです』」
「厚生省麻薬取締官・中條アキラ、乳首を吸われるぅ、うっ!」
ミスターがチュウチュウと音をたてながら吸いあげている。
「どうした。最後まで言え!」
「厚生省麻薬取締官・中條アキラ、うっ、ちくびを、すわれるのもぉっ、すきですぅ、くうっ!」
アキラが襲ってくる喜悦に耐えながらセリフを言っている。
乳首を転がしながらミスターが女の股間に手を伸ばした。中指がアヌスの場所を確認するとゆっくりとこじ開けていった。
ぬあああっ!
ズブズブめり込む指にすっかり隙をつかれてしまった。
「次は『お尻の穴も感じます』だ」
「厚生省麻薬取締官・中條アキラっ!うっ!だめっ!」
指がゆっくりアヌスから出し入れされている。その間も乳首が強く弱く吸い上げられ、摘み上げられていた。
「しっかり言わなきゃだめじゃないか」
再び毛筆にローションを浸して、今度はバギナに塗り付け始めた。
ポッテリとローションでふくらんだ毛筆の威力は絶大だった。往復の”なぞり”に思わず腰が振れてしまう。
「すっかりスケベになったな。『私はドスケベな女です』言ってみろ」
「わたしは、ど、どすけぇべなっ、あっあっ、いやっ、おんなっですっぅ」
アキラはバランスを失ってミスターに肩から勢いよくぶつかった。その拍子にミスターの顔半分を覆っていたマスクがはずれた。
“あっ!この男…”
どこかで見た顔だ。
そうだ。覚せい剤・麻薬撲滅キャンペーンでいつも見かける顔。
協賛会社の社長の一人だ。アジア物産、アジア物産の社長だ…。
「ふふふっ。見られてしまったな。でも構わんさ。どうせお前はここから生きてでることはないのだ」
男は顔を見られたことにさして、気に止めてないようだった。アキラが顔を知っていることに気づいていないようだ。
それよりも女を筆責めにしていることに夢中なようだった。
「そうれっ、段々バギナが膨らんできたぞ。筆が肉の割れ目にますます食い込んでゆくぞ」
力強くなぞり上げた筆先が、柔肉にめり込みながら進む。そして、芽を出したクリトリスに絡みつきだした。
「ほうら、ほら、クリちゃんが出てきたぞ。筆先で、ほれ、ほれ」
あっ、いやっ、いいっ!
「さっきみたいに、言ってみろ!」
「ああっ!だめっ、いいっ!こうせいしょう、まやくぅとりしまりぃっ!なかじょう、あきらっ、いやっ!くりとりすが、きもちいいですっぅ!」
「ほれほれ、汁がいっぱいでてきたぞぉ」
筆先をクリトリスに向けてサワサワと当てている。
あああっぅ!いやだぁっ!
「いやじゃないだろ、さあ次にコイツだ」
アキラの目の前にクネクネするバイブを突きだした。
その気色悪い動きをするバイブが、自分に打ち込まれるのかと思うと嫌悪感と共に、その物体によってもたらされる淫悦に喘いでしまう自分が怖かった。
男がくねりの先っぽを押さえながらアキラの蜜壺にあてがった。
「おうらぁ、先っぽ、入れちゃうぞぉ」
ミミズが土の中を探るように、くねりながら肉の襞をかき分けている。アキラの中に入り込もうとして先端部を振っている。
柔らかな秘部を機械仕掛けのミミズが、ヌチヌチと擦りながら、ミスターに押し込まれて、無遠慮に進んでゆく。
中に入り込んだ頭部が巣穴に入るのを急ぐように暴れている。