バイオレンス・バイブレーション-1
夏なのにヒンヤリとしていた。
下着の上にバスローブを羽織っただけの姿で過ごすには丁度よかった。
監禁されているにしては、快適なほうかもしれない。
トイレ、シャワールーム、化粧台は完備されていた。
食事や下着の換えなどは、若い組員が運んできてくれるみたいだ。
しかし、薄暗い部屋には娯楽というものが全く無かった。
時間を示すものは無いが、食事の運ばれてくる回数によって現在の時刻を予測できそうだ。昨日の悪夢が夜だとすれば、二回目の食事の今は、大体昼頃だろう。
アキラは必ず現在の時刻を把握するように心がけることにした。
運ばれてくる食事は、決して粗末なものではなかった。むしろ、美味な物であった。
昨日の夜、男は、屈辱に耐えようと歯をくいしばり、声を決して発しようとしないアキラを責め続けた。
完全に挿入を果たした後、男は長い間アキラを弄んでいた。
様々な角度からのピストン。突き上げ、揺さ振り、捻じ込み。
“女の声”が出そうになり、頭を振って耐えぬいた。
ペニスを細かくバイブレーションをかけながらクリトリスを指先で転がされた時は、あやうく声が出るとこだった。
手管を使い果たした男は、後ろからアキラの髪の毛を掴んで尻を叩きながら果てた。
アキラの臀部は真っ赤になった。
男は、四つん這いにいましめられ、息の絶え絶えのアキラを満足げに見て、服を着ながら言った。
「女をシャブ漬けにして、おもちゃにする方法を私は好まない。確かに意のままに操ることはできるが、それではおもしろくない。私は、健康な女が好きだ。特におまえのような権威やプライドがある女が恥辱にまみれながら性欲に勝てず、悶える姿をみるのはたまらないものだ」
男はアキラの尻をまた一つ叩いた。倉庫に肉を叩いた音が響いた。
隙をつかれたアキラの短い悲鳴。
「まだまだ序の口だぞ。今夜、おまえをかわいがった男達はAVビデオの撮影チームだ。海千山千の男達がこれからたっぷりとおまえに極限を味あわせてくれることだろう。さてさて、どこまで堪えられるやら。おまえが羞恥心をあおられ、屈辱に歪む顔が、いつ快楽に溺れる顔に変わるのやら。ふっふっふっ…。私はその様子を別室からモニターで鑑賞させていただく。最高の演技をしてくれることを望むよ。その主演女優を最期に堪能するのは私だ。その女優が最期には牝犬となって私に奉仕するようになるのだ。はっはっはっ!では、また明日」
ミスターと呼ばれる男が去った後、しばらくして、若い組員がやって来た。組員は無言でいましめを解き、バスローブをかけて、この小部屋に連行した。アキラは、ベットに倒れこむと泥のように眠ってしまった。
夕食が終わってしばらくして、若い組員がやって来た。
無言であごをしゃくる。
アキラはバスローブ姿で、部屋を出た。
昨日は組員に連行され、どう歩いて小部屋にたどり着いたのか全く覚えていない。経路を覚えねばと思っていたら、見透かされたように目隠しをされてしまった。
それでも、感覚を研ぎ澄まし音や匂いさえも感じ取ろうとしていた。
狭い通路を歩かされているような感覚だった。固いコンクリートのような通路に若い男のゴム底の歩く音とアキラのスリッパの音が混ざり合っていた。
やがて鉄の扉を開ける音がして、がらんとした空間にたどり着いた。昨日の忌まわしい匂いがした。
男の体臭、焼けた照明、ホコリ臭い倉庫。
目隠しがはずされた。
暗い大きな空間の一部だけが、強烈なライトで浮かび上がっている。その中に10人位の男達が、たたずんでいる。その視線を一身にあび、アキラは一瞬たじろいだ。
気力を振り絞ってそのまばゆい光に向かって自ら向かっていった。
「すばらしい勇気です、お嬢様。それではバスローブを脱いで裸になっていただきましょうか」
一人スーツを着て、インカムをした政男が、アキラを慇懃無礼に迎えた。
その言葉を無視して立ち尽くすアキラを数人の男達が取り囲んだ。
男達が乱暴にバスローブを掴んだ時、政男が大きな声で制した。
「ミスターの大事なペットだ。丁寧に扱うんだ、丁寧にな」
政男がゆっくりとバスローブの帯を解き始めた。
肩口から手を差入れ、バスローブを落とした。
皮を剥がれたうさぎのように、白いバスローブがアキラの足元に落ち、照明に光る肌がさらけ出された。
ブラとショーツだけの身が男達の目に晒される。
政男がアキラの目を真直ぐ見た。
口元が微かに笑ったように歪んだ。
脇に回した手でブラを落とす。
量感のある乳房がこぼれ出た。
腰の布を摘み上げソロリソロリとショーツを下ろした。
綺麗に剃毛された生々しい陰部が現れると男達の熱いボルテージが一気に騰がるのがわかる。
アキラはその熱気に急に羞恥心をおぼえ、腕で胸を隠し座りこんでしまった。
それを合図のように、男達が群がりアキラを抱え上げ斜めになったベンチに押さえ付けた。
頭の後ろに腕を交差するように縛り付ける。
アキラ自身の腕が枕になり、体を見下ろすような格好で縛り付けられた。
ピッタリと閉じた足が徐々に広げられる。
「お嬢様、たいへん綺麗なバギナをしてなさる。陰毛が無くなり隅々までみえますよ」
アキラは固く口を閉ざして屈辱に耐えようとしている。
最初は扇を開くように広げ、さらに足首と腿が着くよう屈折される。
足首と腿が麻縄で縛られ、膝がベンチに固定された。