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【青春 恋愛小説】

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16-1

昼休み、鉄弥と元の席に寄って来た暁生は浮かない顔だ。

彼女が素っ気無い。気がする、と。


聞けば、特に喧嘩をしたわけでもないし、気に障ることを言った覚えもないと言う。

女の子の日じゃないか等と適当なことを言ったが、きっとそうではない。


肩を落としたまま暁生は廊下に出て行った。

その背中は、いつもより小さく感じる。


心当たりがあるにも関わらず黙って接しているのは暁生に対して申し訳ないし、何より何も知らない暁生本人が不憫でならない。


元が目撃したのが確実な浮気現場ならまだしも。

いや、あれは既に浮気に入るのか。


男として仲間として、暁生の肩を持ちたいのは山々だが。

こちらが勘ぐり過ぎている可能性が無いわけでもない。


黒でも白でも、確実な証拠が必要。


黒なら、黙っていたことを詫びて、別れを催促。

白なら、何も問題なし。素っ気無いなんて知ったことじゃない。


どちらにせよ、今のままでは動けない。


「どうした浮かない顔して」


目線が泳いでいる鉄弥と元の前に現れたのは、凜子だ。

例の写真をヒラヒラさせて、にやけた顔をしている。


て「おい、写真...」

り「あぁ、返そうと思って。はい」

は「意外に早く返すんだな」

り「もう済んだから」

て「済んだ?」

り「コピーが」

は「あぁ.....」

り「でね、色々分かったんだけど」


しゃがみこんで元の机に顎を乗せる。

小声で続けた。



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