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連鎖反応
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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計画&実行-2

午後7時、お洒落な居酒屋の個室席には伊藤と高嶋、それに妻の優梨子がいた。
優梨子が夫からメールをもらったのは今から数時間前、娘を連れちょうど実家にいた時だ。
【世話になっている後輩を連れて今夜食事会をしたい。7時に近くの店華桜に来れないか?】
急な話に社交的な優梨子もさすがにこのメールには戸惑ったが、相手は夫が会社で世話になっている人、そう簡単には断れない。
それに外食ならわざわざ手の込んだ料理を作る必要もなく、おまけに娘の萌が実家に泊まりたがっている・・そんな状況が彼女を急な食事会へと導いた。
「いつも主人がお世話になっています」
優梨子は複雑な表情を浮かべ、伊藤のグラスにビールを注いだ。
「いえ、お世話になっているのは後輩の僕のほうですよ、ねえ先輩」
向かい側に座る高嶋に、伊藤はうっすらと笑みをこぼし、グラスを眺めた。
優梨子の表情と伊藤の笑みには訳がある。
4人掛けのテーブルには高嶋夫婦が向かい合って座り、その壁側に座る優梨子の隣には伊藤がいるのだ。
つまり、それは二人が考えた優梨子を逃がさないための計画的な配置、優梨子は何も知らないまま、ただ自分が座っている場所の圧迫感に多少の違和感を覚えていた。
「伊藤には毎回助けられてな、今日も俺のミスをカバーしてもらったばかりなんだ」
高嶋は妻を眺め、後輩の伊藤には頭が上がらない立場だと強調した。
「そうなの?あなたも迷惑ばかりかけていないでしっかりしてよ」
優梨子は小さく笑う。
その何気ない言葉も、夫の高嶋には夫婦間の嫌味にしか聞こえてならない。
「さあ、奥さんもどうぞ」
場の空気を読んだからか、伊藤はビール瓶を手に取ると優梨子のグラスに注ぎはじめた。
「えっ、あ!?…私飲めないんです…」
「いいじゃないですか、少しだけでも」
優梨子が酒に弱いことは事前に聞いている。
それを知って伊藤はグラスいっぱいにビールを注いだのだ。
「では、乾杯」
高嶋の乾杯を合図に、個室席での食事会はいよいよ始まった。


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