天ヶ瀬若菜のAV撮影 第1話-1
「ああ、お金に困ってるでしょ?」
興信所の20代女性、里島響子さんが言うことは正しい。こうして響子さんに調査費の説明を受けているわけだが、これが結構な額なのだ。
「ええ、でも、お金は用意出来てますけど…。」
「授業料でしょ?半年後、どうするの?」
図星だった。今はいいけど、半年後どうしよう…。。今は仕送りで生活しているのだが、教科書やら生活費やらで結構ギリギリ、生活は厳しい。とてもじゃないが、半年後の授業料など払えない。
しかも、バイトをしていない。まず根本的に人と話すことが苦手な私がまともにできるバイトなんてほとんどない。居酒屋バイトや、コンビニバイトはまず時給が少ない上に、人と話さなければいけないし…。キャバクラなど高額な夜のバイトも、人と話すという時点で私にはとてもできそうにない…。性風俗も同じ理由、とてもじゃないが無理……。金額はいいんだろうけど…。
出来そうなのは工場バイトくらいなのだが、これが意外に午前中に集中している…。大学で友達もおらず、作る気もない私は全部の授業に出ている。テスト前にノートを借りて、適当に単位を取るなどという選択肢は私にはない。だから、私は午前から午後まで大学に通わなければならず、工場バイトは到底無理…。
一応、深夜勤務の工場バイトがあるのだが、明らかに応募が男性のみっぽくて無理そうだし、その上、大抵8時までで、授業に被ってしまう。
「ねえ、ちょっと事務所でましょうか?あなたにピッタリのバイトあるのよ。」
響子さんは私から調査費を受け取り、色々と書類整理してから言った。私は首を縦に振り、響子さんに付いて行った。
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初めて入ったアダルトな雰囲気のバー。響子さんがカウンターに座り、私も響子さんの隣に座る。
「なんか飲む?」
そう言って、響子さんはメニューを差し出す。
「あの、じゃあ、牛乳で…。」
「あはは、いいのよ?お酒でも?」
「いえ、私、体質的にお酒無理なんです…。」
注文した牛乳が届くと、響子さんが早速本題を切り出した。
「あのね、沙樹ちゃん。まずあなたって人と話したりするの苦手よね?」
「ええ、そうです…。」
響子さんはニヤリと笑う。どうやら、響子さんの思うとおりの反応を私が反応したのだろう。
「となると、キャバクラとか無理だし、抜き系も無理よね。抜き系は常連つくってナンボだからね。あなたじゃ常連つきそうにないしね。正直、その他のバイトは時給と時間で無理と。」
「はい、もうその通りで…。」
どうやらここからが本題らしい。響子さんは私に向き直して話し出す。
「で、いいバイトあるの。ハッキリ言って、あなたの身体、凄く理想的というか、男が好きそうというか、まあ凄く稼げる身体をしてるわけ。だから、都合のいい日でいいから連絡くれないかな?」
「え…、あの…。」
私が戸惑っていると、響子さんは私の肩に手を置いて言った。
「話だけでいいから。イヤなら断ればいいし。それに、お金については大丈夫、相当稼げるから。話だけでも、ね?」
響子さんはそう言って、私に迫ってきたのだった。