三十八歳熟女滴る-6
(18)
真希子の体は濃厚な反応をみせてうねり続ける。美緒の成熟した肉体に驚いたことを思い出し、真希子のそれは、さらに熟成、発酵すらした感があった。比較してみて初めて判る違いである。それは、テクニックに長けているとか、感度がいいとか、あるいは性戯が熟達していることとはちがう。経験と年を経て醸し出される女の味わいといった滋味深いものであった。
馥郁とした香りは何といえばいいのだろう。彼女が肌につけた香料などの単一のものではなく、真希子の持つ体臭が入り混じって脳髄を刺激してくる女臭であった。
押しつけた唇がどこもかしこも沈み込む柔肌の体。しっとりと濡れたようでいて滑らかな肌。熟し切った乳房は波間を漂うクラゲのごとくたぷたぷと揺れた。坂崎は顔を埋め、舐め回した。
「ああ……義兄さん……」
「真希子」
「嬉しい……嬉しい……お姉ちゃん、許して……」
(陽子……)
「義兄さん、お姉ちゃんと比べないでね……」
「真希子、すてきだ……」
「義兄さん」
摩る腰も脇腹もほどよい肉に被われて、感触が心地いい。
唇を重ねると真希子の舌が先に侵入してきた。それをやさしく吸い、絡めながら押し入れると、今度は彼女から吸い上げてくる。
唾液を飲み合い、互いの息が交差しては逆流する。その応酬だけで酔いしれてしまう熱烈な口づけだった。
耳たぶを口で挟むと深みのあるいい香りがした。香料の源のようである。
「ああっ、感じる」
耳に反応して真希子が伸び上がる。その動きにかこつけたのか、ペニスが握られた。
「ああ……義兄さんの……」
彼は握られたまま体を起こし、横臥すると彼女の顔に股間を近づけていった。目を開けた真希子は横向きになって位置を定め、あらかじめの段取りのように咥えた。
「むう……」
ぬるりと舌が亀頭を一周する。そして顔を前後に動かし始めた。
表情は恍惚としている。乳房は横に流れているが豊かなので歪んではいない。薄い小豆色の乳輪をしたがえて乳首がつんと突き出している。
(色っぽい……)
そそりにそそる女肉が視覚を眩ませ、ねっとりとしたフェラチオが痺れを巻き起こす。
坂崎はゆっくり体を起こすと咥えられたまま真希子の顔を跨ぎ、腹這いになって69の体勢になった。太ももに軽く手を当てると心得たように開脚した。
繁茂の中に泉があらわになり、岸辺の恥毛はべっとりと濡れてへばりついている。潤いの裂け目。内肉の様相は充血を来し、粘膜は軟体動物のように蠢いた。
押し開くと膣口が現れ、蜜液を湛えた襞が覗いた。
「いや……」
じっくり見られて恥ずかしいのか、腰をくねらせた弾みで膣口が閉じて音を立てて液が搾り出た。
ひときわ光沢を放っている秘核。舌先でそっと撫でる。
「いい!」
咥えながら声を上げ、ペニスを強く吸い上げて彼の腰にしがみついた。
「うう!」
陰唇を弾き、溝深く舌を挿す。蜜は次々と溢れてくる。
「ああ!もう!義兄さん!」
太ももが顔を挟みつけてくる。さらにぐりぐりと押しつけてくる。むせ返る淫臭が広がって坂崎はえぐるように舐め続けた。
苦しくなったのか、真希子はペニスを口から離すと手で扱き始めた。
「くっ……」
自分が感じているので勢い手にも力が入る。
(強烈だ)
彼は耐えられず腰を上げて逃れた。
真希子の胸も腹も波打っている。
「義兄さん、きて……」
自ら膝を立てて赤い口を開いた。
「真希子」
「義兄さん」
にじり寄って押し当て、差し込む前に真希子の腰が煽るように動いて先がくぐった。
「あう」
真希子は一瞬息を止めたように踏ん張り、彼は重なっていった。
「ああ!義兄さんが入ってきた」
男根の実体を受け止めて顔を歪める。
ペニスを押し込むと真希子はさらに奥へと引き込むように股間を押し上げ、抜く時は締めつける。陰茎の硬度は極限に達し、真希子は彼を掻き抱いて吼えた。
「待ったのよ!三年待ったのよ!」
脚を絡ませた彼女の動きは激しくも絶妙だった。前後と上下の角度を調整しながら急上昇を開始した。
「ああ!いい!ああ!すごい!義兄さんの!義兄さんの!」
腰が波打ち、抜き差しするペニスが煽られ、捻りが加わる。
「真希子、すごい」
「義兄さん、義兄さん、イキそうイキそう」
乱れた息遣いの合間に切れ切れの言葉が散った。一心不乱の形相である。
(俺も、イキそうだ……)
動きを止めて耐えようとするも、彼女の下半身は包んだ一物をもみくちゃにする。
真希子の勢いに呑まれ、収縮自在の絞り込みに局所のすべてが擦りたてられ、坂崎は耐えているだけで限界を迎えた。
「イク……真希子」
「あたしも!待って!」
「真希子」
「義兄さん!もう少し!」
猛然と突き、抜き、打ちつけた。
「イク、イク」
「いいわ!イク、イクう!」
組み敷かれた体が信じられない力で跳ね上がった。
どくんと放たれた直後、それを感じた真希子も硬直した。
「ああっ、きた!義兄さんがきた!」
坂崎は何度も放出の収斂を繰り返して没入していった。
「義兄さん……」
「真希子……」
噴出が終わってもなお、一体となった体を押しつけ合った。気が遠くなる感覚が続いてしばらく動くことができなかった。