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rainy day
【学園物 官能小説】

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rainy day-1

雨は嫌い。

雨は全てを流してしまうから。

雨は全てをさらってしまうから。

雨は…

―rainy day

「6時間目日本史っと…」
雨降る放課後、亜紀(あき)は教室で日誌を書いていた。
耳に響くのは、吹奏楽部の出す楽器の音色と雨の音。
教室には誰もいない。
雨のため、外の部活は休みだった。
「…やっぱり達哉に待ってて貰えばよかったかなぁ…」
達哉は亜紀の彼氏だ。もう2年の付き合いだった。
「ううん…ダメ。まだ許せない。」
達哉と亜紀は今、喧嘩中だった。理由は、達哉の浮気。
達哉は気の迷いだったと亜紀に謝った。しかし、亜紀はどうしても許す気にはなれない。
「…何で男って浮気するんだろ…」
『愛してる』と言った筈なのに…達哉は亜紀を裏切った。
それから亜紀は、全ての言葉が嘘に思えてならない。
亜紀は一通り書き終えた日誌を閉じて、窓際に歩み寄る。
どす黒く厚い雲が空を覆い、その隙間から大粒の雨が降り注いでいた。
「…全部流れちゃえばいいのに」
雨は嫌い。
全てを流すから。
でも今の亜紀には流してほしい出来事がある。
達哉を『好き』だという気持ちを流した雨。
そう、あの日…達哉が裏切ったあの日もこんな天気だった。

―…
あの日、亜紀は達哉の部活が終わるのを待っていた。
いつもなら、『待ってるよ』というメールを送るのだが、その日は達哉をビックリさせたくて…こっそり待っていたのだった。

『あ…』
昇降口で座ってまっていた亜紀は、達哉と同じ部活の人が帰って行くのを見た。
『部活終わったんだ…』
亜紀は立ち上がって、達哉の姿を探した。
『あれ、いない…』
何故かいつものメンバーの中に達哉の姿はなかった。
『亜紀…?』
名前を呼ばれて振り返ると、そこには…
『新井くん。』
達哉と同じ部活で、達哉の親友の姿があった。
『達哉待ってたの?』
『うん。達哉、まだ部室?』
『え、まぁ…うん。多分…』
『?』
新井の態度は何故か少し焦っていて、何かを隠しているようにしか思えなかった。
『何?』
『いや…』
『ふ-ん…じゃあね』
『あッ…』
亜紀が部室に向かおうとすると、新井は明らかにバツの悪そうな顔をする。
『部室…行かない方がいいと思う…』
『何で?』
『いや…今…』
『…』
亜紀は何やら胸騒ぎがして、部室に走った。
『あ…亜紀!!』
新井が亜紀の後を追いかけてくるのにも構わず、亜紀は走った。


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