Present-15
相手の行為に抗うことなく、今まで経験してきた男達とは違う動きに翻弄されるセリス。
今まで欲していたものを全身で受け止め満たされていくセリス。
セリスは以前から予感していた“この時”を無抵抗のままで受け入れていたのである。
その時だった。
―――コン、コン、コン・・・・・・
『王妃様、こちらにいらっしゃると聞いて伺いました。もうお休みになっていらっしゃいますか?』
ノックの音と共にドアの向こうからセリスを呼ぶ、ややくぐもって響く声。
それが王妃付の侍女であることに気づく程にセリスの意識はまだはっきりとしていた。
「・・・・・・・」
だがセリスはあえて返事をせず眠ったふりをする。
今の情景はとても他人に見せられるものではない。
ドレスのスカートの裾は大きくめくり上がり、
彼女の形の良い白い尻の谷間と黒いガーターベルトとストッキングは剥き出しのまま外気に曝されている。
しかもそこに顔を近づけて舌を遊ばせているのが、夫以外の男なのだから。
―――クチュ・・・ンチャピチャッ・・・・
「んんっ・・・ん・・・」
下腹部から伝わる感触に、セリスは唇を噛んで堪えている。
両手はシーツをギュウッと握りしめ、指先には自然と力がこもった。
そんなセリスが発する“味と薫り”を舌と鼻先で堪能しつつ、領主は口許に笑みを浮かべつつチラリと視線をドアの方に走らせる。
ドアの向こうに立っているであろう侍女の気配が次第に遠ざかっていく。
セリスの返事がないのを眠ったものだと判断したのだろう。
「・・・もう侍女は立ち去ったようですよ、セリス様」
その一言が耳に入った途端、
セリスの中で気を張りつめていたものがプツンと切れたようだ。