ニンゲンシッキャク-18
積極的
「せっきょくてき」
「おおおッ!」
歓声が沸く。褒められてんのかな。
「じゃ、次」
消極的
「しょうきょくてき」
クラスメイトは、いつも俺に変なクイズを出してくる。
「正解、半田やるねえ」
「へへッ、ありがとうなー」
褒められた。
「けど、まだまだ」
結局
「けっきょく」
「パーフェクト、それでは最終問題」
月極
「げっきょく!」
俺は叫んだ。
「ふ、はは……ッ。あは、あはははッ!」
「だーめだ、こりゃ」
何か、違ってたのかな?
「半田、オマケ問題」
渋滞
「しぶ……たい……?」
大爆笑の渦。あれ?
よく解んないけど、皆が笑っているならそれで良し! だと俺は思う。だってさ、テレビに出てた人だって言ってたぜ。笑う事は、凄く良い事だって。それに、今お笑いブームが来てんだろ? だったら、それってチョーサイコーって事じゃん? あれ? 違うのか?
「孤独愛好者」
ヒジカタ アユ
わたし、誰とも一緒に居たくない。嫌いなのは、自分を含めて人間。女の子同士って、よくつるんでいたり徒党を組んだりしているけど、あれって正直気持ち悪い。吐き気がする。わたしだけなのかな、わたしがおかしいのかな。
例えば、バレンタインデイなどの行事。
「ねえ、女の子同士で手作りお菓子、交換しない?」
「いいねー、しようしよう」
なぜ、そんなことをするのか理由が解らない。意味が解らない。
「土方さんもしないー?」
「甘い物駄目だし、お菓子なんか作ったこと無いから」
「だからいいんじゃない、ねえ?」
製菓会社の陰謀になんか、乗りたくないの。踊らされたくないの、解る?
「男子にあげれば?」
「だってさあ、男子ってホワイトデイにちゃんと返してくれないじゃない。それに、女の子同士で交換するのって流行っているのよ。知らないの?」
「ごめん、出来れば知りたくなかった」
わたしは、中学生の頃からこんな事を繰り返すのが嫌だった。だから、常に人とは一線を引いていた。
「何あれー、超ムカつくんですけどー」
超ムカつくのは、あなた達なんですけどー。
「……わたしって、女なのかな」
「何言ってんの、そんな事決まってるじゃないの」
母は、わたしを極普通の女の子だと思っている。
「決まってないよ」
決まってないよ、お母さん。