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「ふたつの祖国」
【その他 推理小説】

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前編U-31

「……これで、どうですかね?」
「これは……」

 拡大し、鮮明になった画像を見て、鶴岡逹は息を呑んだ。
 八角形の図の中に、正面を向いた竜の図柄が浮かび上がったのだ。
 画像の詳細が判明した所で、島崎逹は、画像の由来を探す事とした。
 前回報告書から画像を刺青だとすると、その図柄等から“組織”に繋がる場合が多々有るからだ。
 特に竜をあしらった図柄は、アジア系組織に多い。直ちに全員が、アジア諸国の検索に当たった。

 そして、検索開始から一時間。

「あった!有りました」

 中島の、興奮した声が部屋に響いた。直ぐに全員が、中島を取り囲む様に、パソコンのモニターを注視した。

「李氏朝鮮……だと?」

 モニターには朱色で八角形の図内に、正面を向いた金色の竜の図柄──李氏朝鮮の印図が映し出されていた。



 「ふたつの祖国」前編U 完


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