聖なる淫水(3)-4
電気が点けっぱなしだったところをみると彩香もそのまま寝入ってしまったようだ。
彩香が目を開けた。
「おはよう」
「おはよ……」
なぜかぺろっと舌を出した。
「何時?」
「九時すぎてるよ」
彩香は大きく伸びをして起き上がると両手をついて子犬のように坂崎の背中にくっついてきた。汗ばんだ肌がべたべただ。
「シャワー浴びようか」
「うん」
昨夜の記憶がこの子にはどのように残っているのだろう。
「トイレ行ってくる。先入ってて」
歩き出し、くびれた腰と尻が揺れるのを見て思わず呼びとめた。
「いいよ彩香」
「え?」
「お風呂でしたらいいよ」
「いやーん」
彩香の体内にあるものを受け止めたい、欲求が突然起こったのだった。
冗談と思ったらしく笑っている腕を取って引き留め、
「伯父さんにかけてくれないか、彩香」
「やだやだ。ほんとにやだ」
けらけら笑う顔には言葉ほど強固な拒絶はみえない。
「ほんとなんだ。好きだからしてほしいんだ」
「もう……。ほんとに?汚いよ」
坂崎は彩香の手を取って、
「頼む、彩香」
真顔で懇願した。
「わかった。じゃ、洩れちゃうから早くしよう」
彩香は足踏みするようにして彼に従った。
胡坐をかいて、その上に彩香が跨る。腰を落とすとパックリ開いた亀裂は屹立したペニスに向き合い、標的は定まった。
「いいよ、彩香」
「いやん、もっちゃう。出ちゃうよほんとに」
「いいんだ。さあ、出して」
彩香が少し顔をしかめたのは局部に集中したからのようだ。
「あ、出る……」
陰毛の陰からちょろちょろと放水が始まり、すぐに勢いよく迸った。
「いやん……」
ペニスを直撃してから角度が変わって腹部に当たった。
「ああん、とまんないよ」
「いいんだ、全部伯父さんにくれ」
生温かい尿を浴びて坂崎は昂奮した。
朝の尿だから大量である。跳ねて飛び散り浴室に生臭い臭いが広がる。
「彩香のオシッコだ、彩香のオシッコだ」
「臭いよ、伯父さん」
「彩香のにおいだ。彩香の体から出てきたんだ」
「伯父さん……」
眉間に皺を寄せて顔をそむけたのはやはり恥ずかしいのだろう。
やがて尿を滴らせながら立ち上がった彩香はシャワーを全開にして彼に浴びせた。
「やだもう。汚い」
一息つくと戸惑った顔をみせた。
「もう……恥ずかしいよ……」
「そうか。変なことさせてごめんよ」
「ううん。それだけあたしのこと好きってことでしょ?」
「そう……だから……」
彩香を見上げながら今自分はどんな顔をしているのだろうと思った。慕われる伯父の顔であろうはずはない。きっと淫らに血走った目をしているにちがいない。
「伯父さんが嫌いになった?」
「そんなことないよ」
座り込んだ彩香はぞくっとする輝きをみせて猫のように目を細めた。
「でも、恥ずかしかったから、罰として洗って」
後ろ手をついておもむろに開脚した。
(彩香……)
坂崎はしもべのように跪いて秘口に見入った。