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女将の露出教育
【性転換/フタナリ 官能小説】

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第一章-1

蝉の鳴き声ばかりが聞こえる、田舎の小さな駅。普段は人もまばらなその駅に、1日に1度だけ、20人前後の人が現れる。
来る人と、帰る人。来る人はわずかに緊張の色を浮かべ、帰る人は満ち足りた笑みを浮かべる。
その、緊張の色を浮かべた10人程度の中に、彼女はいた。
紗夜、21歳。長い黒髪を持つ、控えめだが整った容姿をした『女性』である。
その大人しそうな面差しとは裏腹に、ボリュームのある胸とお尻を清楚な白のワンピースに押し込んで、かばんを手に1人駅前で佇んでいた。
もっとも、周囲にいる他の人物も、1組のカップルを除けばみな1人で所在なげに辺りを見回している。

強い日差しの中、1台のバスが駅に近付いてきた。それに気付くとみな一様にそわそわし始め、じっと見つめる。
バスが駅前のロータリーに到着すると、扉が開き、着物を着た人物が降り立った。駅前に集まっていた人々に丁寧にお辞儀をすると、バスの中へと声を掛ける。すると、うっとりとした笑顔を浮かべた人たちが口々に礼を言いながらバスから現れ、名残惜しそうに駅へと向かって行った。
わずかな時間でバスの乗客がいなくなると、着物の人物が待っていた人々に声を掛けた。
「お待たせいたしました。どうぞ、ご乗車ください」

夏の日差しの中待っていた人々は、冷房の効いた車内でそっと汗を拭いながらも、着物の人物をじっと見つめる。
張り詰めた空気の漂うバスは、10分程度も走ると塀と木々に囲まれた、広大な屋敷へと到着した。
すぐに着物の人物はバスを降り、「どうぞ」と乗客を促す。
扉近くに座っていた乗客から順にバスを降りると、「いらっしゃいませ」という華やかな声と「きゃあっ」という驚きの声が辺りに響いた。

歓声に首を傾げながら最後に紗夜が降りると、目を大きく見開いてその場に立ちすくむ。
立派な和風建築の前に、透けた着物を着た人が、ざっと20人は整列し頭を下げていたからである。
透けてはいるものの、しっかりした素材の着物に、やはり透けてはいるが長襦袢を身につけており、素肌はうっすらとしか見えない。しかし下着を身に付けていないのは明らかだ。全員がふたなりで、胸元と股間がふっくらとしている。

「さ、どうぞこちらへ」
1人だけ普通の着物だった駅への迎え役が、紗夜に声を掛け、かばんをそっと受け取った。
案内されるままに建物に入ると立派なロビーで、すでに先にバスを降りた人々がそこここのテーブルで宿帳を記載している。
紗夜も空いていたテーブルにつくと、迎え役の人物から透けた着物の人物に代わられ、宿帳を示された。
間近にある柔らかそうな胸にドキドキしながらペンを走らせて、チェックインを済ませたところで「お待たせしました」と先ほどの迎え役の声がする。
紗夜が顔をあげると、他の従業員同様に透けている着物に着替えた、あの美しい人物が立っていた。



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