『SWING UP!!』第16話-25
「おっぱいで、よくなっちゃったかい?」
「は、はい……」
「ふふ。可愛いよ、葵」
「あ、ん……ん、ちゅ……ンン……」
葵に頬ずりをしてから、その唇を誠治は啄ばんだ。性の高みを垣間見た葵の熱い息遣いに、誠治もまた興奮が募っていく。
「あおい……ん……あお、い……」
「ふ、ぅん……せい、じ、さん……ん、んん……」
唇を舐めあうように、舌も使った接吻を重ね、艶かしい音を立てる二人。戯れるように撫であっていたものから、互いを求めるように、熱い交わりを重ね始めていた。
「んっ、ふっ……んぁっ……」
胸を揉んでいた誠治の手が、そのままゆっくりと葵の肌を伝うように、おへその辺りを撫で回してくる。そのまま腰周りも、まるで、マッサージをするような動きで、誠治の手が、幾分押し込むように、滑らかに這っていった。
「………」
恍惚として、唇に接吻を受けていた葵の眉が、わずかに歪みを見せた。
「んっ……あっ、や……」
誠治の手のひらが、腹の辺りを押し込みながら這っていくたびに、眉間に皺が増えた。
「ん? 葵?」
葵の身体に、なにか別の強張りを感じた誠治は、寄せ合っていた顔を少し遠ざけると、彼女の様子を眺めてみた。
「あ、あの……お腹、なでるの、ちょっと、まって……」
「?」
「ごめんなさい、その………」
「………」
そういえば葵は、球場にいたとき、“パニック症候群”こそは発症しなかったが、“呑気症”に近い状態は繰り返していた。飲み込んだ空気の量は、嘔吐によって胃袋から吐き戻し多分だけでなく、そのまま通過して、腸内に溜まっている分もあるだろう。
「葵」
「あ、ああっ………!」
誠治は、葵の太股に手を伸ばすと、それを内側から一瞬割り開いて空間を作り、返す掌で、膝裏にそれを差し込んで、ざばり、と、葵の両膝を、抱え挙げるようにして湯の中から出した。
「ま、またっ、こんな格好っ……!」
いつぞや、葵に、そのまま放尿をさせた“抱っこ・スタイル”である。
「葵、我慢しているんだろう?」
「べ、べつに、わたしは……!」
「それは、身体に毒だから…」
「や、やあぁっ……!」
ざばざばと、誠治に身体を揺すられる。
「だ、だめっ、ゆ、ゆすっちゃだめですっ……あっ……!」
その動きが身体を伝播して、“抱っこ”によて割り開かれている尻の合間に、内側から圧力を生んだ。
「だ、だめぇっ……!」
ボコボコボコッ、ブボワッ……!
「あ、や、やだぁっ、いやぁっ……!」
突如、お湯の表面に大量の“気泡”が浮かびあがって、弾けて消えて、波紋を作りだした。お尻から、“屁を垂れた”のである
「い、いやっ、あ、ああっ……!」
ボコボコボコッ、ボフゥッ、ボコボコッ、ボボォッ……!
「いやいやっ、とめてっ、とめてぇっ……!」
猛烈な勢いで吹き上がる、透明な“空気の泡”…。湯に沈む、葵のお尻の間から大量に吹き出る“気泡”は、留まるところを知らなかった。