兎の宴 前編-5
「あ、あん、やだ……駄目よ、これ以上したら……」
ツキコは力なく俺の手を握って、これ以上の行為を阻止しようとしている。
しかし、本気で嫌だという感じがしなかった。
うっとりと目を閉じて、触れられる感触を受け入れている風にすら見える。
好きな異性から触られるという気持ちよさを、彼女がはじめて経験したのが俺だ。
少々傲慢な考えだが、ツキコは今こういうスキンシップが楽しいのかもしれない。
そうこうしているうちに、俺の手がツキコの双丘を揉みあげていく。
「はぁ……だ、ダメだったら……わ、わたしまだ喫茶店、あるのに、これ以上は――」
「これ以上したら、どうなるの?」
「――――下着が」
ツキコはとても恥ずかしそうに、そうとだけ呟いて、俯いた。
下着がどうしたのだと思ったが、次の瞬間に理解した。
濡れて――――ツキコは、このやりとりの中で感じてきてしまっているのだ。
理解できた瞬間、自分の中に彼女をたまらなく愛おしむ気持ちが沸き上がってきた。
ツキコが顔を俯けたまま、ハァハァと軽く喘いでいる。
彼女のバストに添えた両手を、俺はようやく離した。
そして、新たにワンピースの下から手を入れて、ツキコの太ももに触れた。
「じゃあ、下着を、取ろうよ」
「だ、ダメッ! ここ、生徒会室でしょう? それに、明るいし……あっ」
言っている途中に俺は差し込んだ手を下着に引っ掛けて、足首まで一気に引き下ろした。
ツキコは急なことで、驚きと戸惑いと、そして興奮で顔を赤くしながら俺を見つめた。
俺は、ツキコのお尻の下のあたりにしゃがみ込んでいる。
ツキコの足首に、水色のショーツが引っかかっていた。
これは、ツキコに足を上げてもらわないと取れない。
股間のクロッチに彼女の興奮の痕跡が、ほんの薄っすらと染み込んでいるように見えた。
ツキコは極度の興奮状態の為か、ガクガクと体が震えだしていた。