ホワイトライ-11
「……ちゃんと…お風呂にも入んなきゃダメだよ!」
「…あぁ」
徐々に消えてゆく
妹のカラダ
「それからそれから」
「沙奈!!」
もう
触れ合う事は出来ずとも
例え
抱き合う事は出来ずとも
我慢などと出来ようか
堪える事など出来ようか
「…お兄…ちゃん…」
確な想いの温もりが
激しき愛の情熱が
響の全身へと伝わってゆく
「……いくな!…………………いかないでくれ!!」
兄として
愛す者としての
悲痛なる叫び
それは
取り戻せない過去を
欠けてしまった未来を
分かっていても望みたい
解っていても願いたい
「……ッ…」
しかし
それに答える事は叶わない
伝えるべき言葉は別にある
「……なぁに言ってんの!それを言うなら、これからもヨロシク!でしょ!?………私は何時でも…………どんな時でも傍にいるからね……」
精一杯の強がり
だが
胸一杯の未練は溢れる
「……だから……ずっと…ずっと、愛し続けてもいいですか」
少女の頬を伝う
宝石よりも綺麗美やかで
何より淡く清らかな
一粒の雫
「…………沙奈…………。い〜やダメだね!お前は天国でイイ人を探さなければ……だろ!?」
White lie
妹を愛す善意なる嘘をつき
やがて光が降り注ぐ
そして二人を優しく包む
「……お兄ちゃん………。ヒドーイ!ケチ〜!!もぅお兄ちゃんなんて知らないもん!」