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ホワイトライ
【悲恋 恋愛小説】

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ホワイトライ-10

果てなき道を
どこまでも進む

愛しき者と
尊き未来の
セレナーデ

儚き誓いの
セレモニー

優雅で華麗な旋律は
最骨頂へと導き流れ

心を奮わす夢幻は
遥かなる風に運ばれてゆく



そして戯曲は終焉へと向う

終りを告げるは
懐かしき調べ

母なる大地の
子守唄

静かなる森の奥深く
ひっそりと篭れる陽光の下

微笑む少女は安らかに眠り

傍らで咲く花は
彩り豊かに誇らしく

太陽を見つめる



―パチパチパチパチ―

響の想いを込めた演奏は
観客による拍手喝采の渦とともに幕を閉じた


この曲に感銘を受けた者
この曲に感動した者

それぞれの観客が
それぞれの思いを胸に
それぞれの帰路へと着く



だが舞台の上をまだ
光は照らし続ける

兄妹の幕はまだ
閉じてはいない

「とっても素敵だったよ。………ありがとう、お兄ちゃん」

浮かび上がるは二つの影

「もう……いくのか…?」

一つは兄

「………うん」

もう一つは
ピアノ

「………ちゃんと…ご飯食べなきゃダメだよ!」

「……あぁ」

徐々に透き通ってゆく
少女のカラダ


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