ちょこみるく-5
手を振りながら去っていく紗江の姿を桂一はずと見つめていた。
やがて十字路を曲がり姿が見えなくなってから桂一は部屋の中に戻った。
紗江がいなくなった今、いつも以上の孤独感に包まれてる。
テ−ブルの上にラブレターと言って渡された一通の封筒だけが紗江を思い出させる。
「ラブレターって何だ」
桂一は、可愛らしいキャラクターのプリントの封筒を空けてみてみる。
そこに書かれていたのは、プリンターで印字された文字だった。
『プレミアム会員様
2時間コース
下記の金額を今週金曜日まで当社口座にお振込み願います。
デリバリーイメージクラブ お菓子の家』
「・・・請求書かいっ・・・」
桂一は一気に脱力した。
その便箋の一番下の欄外に手書きの文字があった。
『妹さんとエッチしたくなっちゃったらまた電話してね。次は指名でお願い。ちょこみるくより』
次は恋人にでもなってもらおうと桂一は考えていた。
END