私が欲しいなら-6
「……も、もしもし?」
想わず反射的にスマホを耳に当てる私。
相手を確認する余裕もなしに、けれどそれが誰だかわかっていたかのように、
高鳴る鼓動を抑えながら、私は必死で息を整え平静を装った。
「京子か?俺だけど……」
「…………ん」
「悪い、調子に乗りすぎた……かな?」
「……べ、別にっ」
「ご、ごめんっ!その……京子の写真見てたら興奮しちゃって……」
「い、いいよっ そんな謝らなくてもっ」
「で、でもさっ」
随分と必死で謝ってる様子の翔太。
謝るくらいならこんな写真送ってくるなっての!
「ねぇ…… 私の写真見て興奮したって……ホント?」
「……え?あ、ああっ メッチャ興奮しちゃって……その結果がアレ……だよ」
「くすくす ばぁ〜か、翔太のエッチ!」
「え、エッチって!そりゃオマエあんな写真見たら誰だって……」
らしくなく慌てる翔太に笑ってしまう私。
「言っとくけど、誰にでもあんな写真見せてるわけじゃないんだからね?」
「わ、わかってるよっ!つか、絶対見せんなよっ だ、誰にもあんな姿……」
翔太のその言葉に、おさまり掛けてた私の鼓動がトクンと高鳴った。
「……どうして?」
「ど、どうしてって…… そんなの言わなくてもわかるだろっ」
私はゆっくりとまた右手を下半身に伸ばすと、
翔太の声を聞きながら、こっそりその指を動かしはじめた。
「じゃぁ……三枚目はもういらないんだ?」
「えっ!?いやっ お、俺にはそのっ……や、約束じゃねぇか!」
そう言ってまた慌てふためく翔太がなんだか可愛く思える。
「くすくす そんなに欲しいの?」
「あ、ああっ 欲しい!ぜ、絶対誰にも見せないからっ」
「ホント?約束……だよ?」
「も、もちろんだ!他のヤツになんか……見せてたまるかってんだ!」
その言葉がなにを意味するかなんて、今はまだどうでもよかった。
ただ翔太が見たいなら、私を見たいと言ってくれるのなら……
「じゃぁ、もう少ししたら……送るね?」
「あ、ああっ 待ってる!」