『星空の下で逢いましょう』-4
そうだ、一人の医師として、彼女の性器の一から十までを観察する義務が僕にはある。
あの男たちは僕の分身であり、手足であり、ブレーンは僕でなくてはならないのだ。
果たして、バイブレーターにも飽きがきたのか、当の男は引き抜いたそれを床に放り投げ、今度は彼女の股間に顔をうずめた。
その様子を見ていた僕の口にも、しょっぱい味覚がつたわってくるようだった。
臭気はアンモニアが強めで、あとからチーズっぽさがほのかに出てくるのだろう。
それでいて未成熟であるから、分泌される汗と相まみれて、さらに複雑な味となって脳を痺れさせてくれるに違いない。
男はまさに犬になっていた。
頭は円を描いて、ときには十文字を切り、異様に長い舌でもって甘い蜜をすくっている。
クンニリングスではじまり、クンニリングスで終わる、そういうセックスに憧れた時期もあった。
その相手が女子高校生ならなおさら文句はない。
婦人科クリニックの業務上、処女の子宮頸部に触れることもある。
そこではやはり理性という名のマスクで顔を隠す必要があり、患者の治療が優先されるわけなのだ。
レイプに参加してみたい──。
マンションの一室で犯されている少女を見ていて、僕はそう思った。
全裸に剥かれるより、制服姿のまま乱暴されている彼女のほうが、僕の嗜好には合っているのかもしれない。
それはリアリティであり、フェチズムの居所をくすぐられる光景だった。
彼女はすっかり降参の表情をしている。
ソックスを履いた両足をブランコみたいに揺らして、美少女性器と呼ぶにふさわしいそれを彼らに捧げている。
尿、おりもの、スキーン腺液、そのほとんどが男の喉を通って胃におさまっていく。
そしてもう一人の男が彼女の口を犯し、果てには射精を済ませて、その白い毒素すべてを彼女に飲ませた。
体液の交換である。
襟首を飾るリボンの下で、白とピンクで彩られた乳房がゆさゆさと揺れている。
そうしてついに結合がはじまった。
それは一瞬の出来事だった。
ペニスが穴におさまった瞬間、彼女はベッドに倒れ込んだ。
その背中を男が抱きかかえ、ふたたび引き寄せると、はげしいピストンを見舞う。
逃がさない、逃がしてたまるか──そんな情熱が腰に宿っているようだった。
僕の精巣もいよいよバランスを保てなくなっていた。
僕は自分自身をしごいた。
こよなくしごいた。
女子高校生をレイプしている気分になっていた。
可愛い。
抱きしめたい。
自分のものにしたい。
もうそれしか考えられない。
目先の快楽、そこに宇宙が広がっているように思えた。
広大な宇宙の片隅で、一人の美少女が延々とレイプされている。
泣きながら、喘ぎながら、男の腹の上でシーソーに揺られるみたいに、かっくん、かっくん、と上下動をくり返す。
絶頂して、痙攣して、伏せった体をまた起こされて、避妊具さえも着けてもらえないまま、オーガズムだけを噛みしめる。
季節ごとにあらわれる流星群も美しいが、今夜のこの眺めは格別にいい。
泣きじゃくる顔、恍惚の表情、「イエス」だ「ノー」だと応えて首を振る仕草、そのどれもが奇跡に思えるほど、彼女は清らかなまま汚されていった。
僕は銀河に漂っていた。
そうしていつしか暗黒物質に捕らわれて、ひとすじの帚星(ほうきぼし)を放った。
「アメージング……」
思わずそんな台詞が口から漏れる。