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仄か
【その他 官能小説】

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 途中の駅で、数人の乗客が入れ替わる。

 余裕のあった座席も、駅に停まるたびに、だんだんと埋まっていく。

 自分の両隣のスペースにも、いよいよ、という気配がしてきた。

 できれば、若い女性が座ってくれないものかと、淡い期待をしてしまうのも仕方がない。

 こんな大事な時に、自分は一体どんな神経をしているのだろうか。

 そうこうしているうちに、電車はターミナル駅に着いた。

 自分の両隣の座席は、クーラーのおかげでよく冷えていた。

 結局、誰も座らなかったというわけである。


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