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仄か
【その他 官能小説】

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 右前方から、乗務員がやって来た。

 前から順番に、切符をチェックしている様子である。

 私は自分の切符を手にしつつ、さっき電話できなかった相手に、出産報告のメールを打つ。

 隣の彼女はというと、テーブルに私物を乗せたまま、しきりにスマートフォンをいじっている。

 私は未だに、二つ折りの携帯電話である。

 端末同様、自分自身も古いタイプの人間なのだろうか。


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