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パレット
【純愛 恋愛小説】

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PINK color-5



『 ネコとワンコ 』


『あるところに、周りから遠巻きにされた白いネコがいました。

 そのネコの目は、他のネコと違って藍色と呼ばれる色だったから。

 そのせいで親や周りから差別を受け、愛されることを知りませんでした。』


『ある日、いつも通り一人で居るネコの前に一匹の茶色いイヌがやってきました。

 ネコの顔を覗き込んで、驚いたようでした。

 そのいつも通りの反応に、ネコは顔を背けました。

 だけど、ワンコは両足でネコの顔を自分の前に無理やり戻してしまいました。

 ネコが驚いていると、ワンコはじっとネコの目を見つめます。

 そして、ニコッと笑うと、

 「すげえ綺麗な目!!この色、なんて言うんだ?」

 と、興奮して言って来ました。』


『勿論、ネコには初めてのことでした。

 驚きながらも、震える声で、

 「藍色」

 とだけ答えました。

 その答えを聞いて、更に頬を緩ませたワンコはネコの顔を見ました。そして・・

 「あい色!?すげえ、あい色って、愛される色ってことだろ!?すげえ!!」

 「・・・は・・?・・これのどこが愛されるの?愛されたことなんて無いんだよ。

 お母さんも、お父さんも、みんな・・私を愛したことなんてないっ!!」

 ネコは、ポロポロと涙を流しながら強く叫びました。

 いきなり泣き出したネコに驚いたワンコはオロオロし始めました。』


『今までの辛い気持ちを、涙としてさらけ出すネコを、ワンコは高く抱え上げました。

 急に変わった視界に、ネコは驚いてワンコを見下ろしました。

 涙が少しの間でも止まったネコに、ワンコは笑顔で言いました・・・』




 

 



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