15-5
-----------------------------------------------
放課後。
暁生はデートがあるとのことで先に学校を出た。
誠も次いで絢と帰ると言って去って行った。
元も美帆との予定があるが夜からで、一切予定のない鉄弥と屋上で煙草を吸っていた。
「げんちゃんさ、帰りのあっちゃん見てどうだった?あいつすげー笑顔だったじゃん」
「何も言えねーよな。嘘であってほしいわ」
「な。あっちゃん優し過ぎなんだよ」
「それがあいつの良いとこでもあるんだけどなぁ」
「....げんちゃん」
「ん?」
「いいのか、写真」
「あー。返せって言って返すと思う?」
「確かに...」
「とりあえずさ、凛子なら何か掴むかもしれねーし」
「なるほどね」
「しかしなんなんだあいつ。ヒマなのか」
「俺らが言えるタチか?」
「うるせーよ」
「なんかね、記者になりたいんだってさ、凛ちゃん」
「そうなの?」
「新聞社で働きたいらしいよ」
「へー。よく知ってんね、てっちゃん」
「前に帰りが一緒になってさ、そん時言ってた」
「ふーん。そういえばさ、お前ら仲良いよな」
「......は?!」
「お前ら仲良いよなって言ったんだよ」
「んなことねーよ」
「そうか?掛け合いが絶妙じゃねーか」
「席、隣だし....」
「俺、隣の女子の名前すら知らねぇや」
「げんちゃんは人に興味なさ過ぎんだよ」
「じゃあてっちゃんは凛子に興味あるってか?」
「そうは言ってねーだろ...」
「そういや凛子って彼氏いるっけ?」
「いや、いない」
「あ、そう。あいつ可愛いのに」
「な。俺もそう思う」
「ま、俺のは冗談だけど」
「なっ....」
「てっちゃん、凛子のこと可愛いとか思ってんだ」
「てめー....」
夕陽が照らす以上に、鉄弥の顔は赤くなっている。