投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ゆうき!
【青春 恋愛小説】

ゆうき!の最初へ ゆうき! 41 ゆうき! 43 ゆうき!の最後へ

第七話-4

優紀は顔を赤らめて俺を見つめていた。
見つめていた、が。

「ってそれ、ハガレンでエドがプロポーズした時に言ったセリフじゃないですか!」

「なんだってそれは知らなかった(棒読み)」

ハガレンはともかく。

「優紀。答えを聞かせてくれ」

「まさか初プロポーズがハガレンのパクリだなんてまさか初プロポーズがハガレンのパクリだなんてまさか(以下ループ)」

せっかくのシリアスシーンなのに、優紀ってば壊れちゃったよ。

「優紀。俺は真剣なんだ。真剣と書いてマジなんだ」

「そ、そう言われても……」

「俺が結婚してやんよ!」

「またパクリ!?」

「俺、この戦いが終わったら、お前にプロポーズするんだ」

「今度は死亡フラグ!?」

「それで、優紀。どうなんだ?結婚してくれるのか?」

「…………」

何かを考えるように黙る優紀。

「魁さん」

しばらくして、優紀は真剣な表情で俺を見つめてきた。

「私は、ヤンデレなんです」

「知ってる」

デレかたがヤンチャなんだろ。

「私と結婚するということは、私と死ぬということです」

「心中を前提にってやつか。ちなみに予定はいつ?」

「決めてません。三十代、四十代……そのくらいですかね」

早死には確定しました。

「そっか。じゃあ結婚を前提にした付き合いはオッケーってことで」

「心中を前提に、ですよ」

「そうだった」

「…………」

「…………」

「な、なんで急に黙るんですかっ」

「いや、ほら、だって、流れ的にここはさ……」

キスするシーンだと思うのだが。

「優紀は、キスしたことあるの?」

「残念ながらないです。魁さんは……ありそうですよね」

「どういう意味だ」

「にゃんさんにされてそうです」

「気持ちの悪いことを言うな」

「大丈夫!たとえ魁さんがにゃんさんと肉体的な関係でも、私は快く受け入れます!」

「…………」

頼むから俺を腐女子の妄想に巻き込まないでくれ。

「では」

優紀の両肩に手を置き、真っ直ぐに瞳を見つめる。

「え、あの、ほ、ほんとうに……?」

「ほんとうに」

俺は、俺たちは、初めてを経験した。
キスしただけなんだけどな!



(第七話 終)


ゆうき!の最初へ ゆうき! 41 ゆうき! 43 ゆうき!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前