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ゆうき!
【青春 恋愛小説】

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第七話-3

 

    ***


「ぐほっ!?」

まるでお腹を殴られたかのような痛みを感じ、俺は目を覚ました。

「さぁて。言い訳を聞きましょうか」

「んー……?」

寝起きはいいほうなんだけど、優紀が何を言ってるのかわからない。

「優紀、おはよう……」

「おはようございます。それで、どうして私を抱きしめていたんですかね?」

「おー……」

そんなことに怒っていたのか。

「寝ぼけて?」

適当な言い訳をしてみる。
しかし優紀は、そんなことで納得するような女ではなかった。

「ではこれを見てください」

と。
勝手に俺のタンスを開けて、なぜかそこに入っていたデジカメを取り出した。

「優紀さん。それはなんでござんしょ」

「デジカメです。デジタルカメラ」

「それは見りゃわかる。なんでそんな物が俺のタンスの中に入ってんだよ」

俺はデジタルカメラをタンスの中に入れた覚えはない。
そもそも持ってないんだけど。

「いつも寝る前にセットしているんです」

「セット?」

「はい。私が寝ている隙に、魁さんが私にいやらしいことをするんじゃないかと思って」

ようは隠し撮りしてたと?
言い換えれば盗撮してたと?
夫婦間でも犯罪らしいからな、それ。

「この中に、魁さんの真実が隠されています」

その口振りだと、どうやら中身は見たらしいな。
抱きしめたのは寝ぼけてじゃなくて、故意にしたことだからな。恋だけに。
ドヤぁぁぁ!

「あんまり上手くないです」

地の文にツッコまれた。

「認めよう。俺は優紀を抱きしめたくて抱きしめた」

「うぇ、あわ……」

顔を赤くして狼狽える優紀。

「俺は男なんだ」

「な、なんですか改まって……知ってますよ」

「自殺しようとしたお前を助けたのは、多少なりとも下心があったからだ」

実を言うと、俺が今まで救ってきた(言うほど大袈裟なことではないけど)人たちというのは、その九割が女性なのである。高齢者も含めてではあるんだけれど。

「下心があったから助けた」

「あ、あの時は、色々思うことがありましたけど……今となっては、その……ありがとう、ございます」

「よし。じゃあ優紀。俺の人生半分やるから、お前の人生も半分くれ」


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