4時間目-6
何もかも納得して付き合っているはずなのに。
俺が弥生ちゃんより年下だってことも
高校生だってことも
事実だし。
でも、俺は俺の置かれた立場と状況の
すべてにイライラしていた。
もし、俺があと数年早く生まれてたら?
もし、俺が今の時点で社会人だったら?
今のオレのこの心のイライラはすべて払拭されるのだろうか?
「よ!智樹!」
今日も姉貴はご機嫌で帰ってきた。
美人なくせに彼氏を作らず
適当に男と遊ぶ癖はいい加減にやめた方がいい。
そして酔って帰ってきて俺に絡むのも
いい加減にやめてほしい。
「元気ないじゃん〜受験生〜」
勉強中のオレに椅子の後ろから抱きついてきた。
やめて。
姉貴なんかに反応したくないのに
弥生ちゃんとご無沙汰な俺はかすかに反応しそう・・・
「あのさ〜。受験生って分かってるならほっといてよ」
「ん〜?数学は弥生に教わってんの?あんた学校でヤラシイことしてないでしょうね」
口調とは裏腹にニヤニヤしながら
肘で頭をつついてくる。
絶対、姉貴楽しんでる・・・
「センセイと生徒の禁断の恋か〜ちょっと萌えるね?」
はぁ。勝手に言っててよ。