投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Betula grossa〜出逢い〜
【ラブコメ 官能小説】

Betula grossa〜出逢い〜の最初へ Betula grossa〜出逢い〜 2 Betula grossa〜出逢い〜 4 Betula grossa〜出逢い〜の最後へ

Betula grossa〜出逢い〜-3

コンビニに行こうと外に出ると、梓さんが歩いて来るのが見えた。声をかけようと思ったが、女の子と楽しそうに話していたので気づかないフリして通り過ぎようとした。
「よっ!少年!お出かけか?」
「えっ!?あっ!梓さんか!」
俺はあえて今気づいたように装った。
「ちょっとコンビニに....」
「ふぅん....あっ!そうだ!紹介するよ!今度一緒に暮らす事になった笑美ちゃんだ!ほら!自己紹介しろ!」
梓さんに促されて女の子が俺の前に出てきた。女の子は屈託のない笑顔を浮かべていた。俺はその笑顔をとこかで見たような気がした。
「どこかで俺と逢った事ない?」
俺は女の子に話しかけた。
「なんだ?少年!保護者が見てる前でナンパとはいい度胸してるな!」
「イヤ....そんなつもりは....」
「じゃあ....どんなつもり....」
梓さんが言いかけた時
「.....兄ちゃん.....」
女の子が呟いた。
「えっ!?」
俺と梓さんは同時に女の子を見た。
「やっぱり!純兄ちゃんだ!」
女の子が弾けるような笑顔を見せて俺に抱きついてきた。俺を「純兄ちゃん」と呼ぶ女の子は一人しか思い浮かばない....
「....笑美ちゃん?」
「うん!久しぶりだね!純兄ちゃん!」
笑美ちゃんは俺に抱きついている手に力を入れた。
「あんた達....私の前で堂々と不純異性交遊か?」
梓さんの言葉に我に返った笑美ちゃんは俺から手を離した。
「見せつけてくれちゃって....どうせ私はモテませんよ....合コンに出ても相手にもされないですよ....」とうとう梓さんが拗ね出した....梓さんは「クリスマスまでに彼氏を作るぞ!」そう言って張り切って合コンに出ていたが全て玉砕したみたいだった。ルックスは悪くないので初めはちやほやされるのだが、緊張するとテンパってしまい、それを隠そうとアルコールを口にしてしまう....酒癖が少し....いやかなり悪いので離れていってしまうのだった....
「あのね!梓さん....俺達はそういう関係じゃ....」
「じゃあ..どういう関係か詳しく聞かせてもらおうか!家でゆっくりとな!」
梓さんは不気味なオーラを漂わせながら笑っていた。
「さぁ行こうか!」
そう言って歩き出した梓さんの後ろを俺は肩を落としてついて行った。
「純兄ちゃん....コンビニに行かなくてもいいの?」
笑美ちゃんが小声で話しかけてきた。
「この状況でそれが出来ると思う?」
笑美ちゃんは少し考えて
「ちょっとムリかも....」
そう言って笑った。




Betula grossa〜出逢い〜の最初へ Betula grossa〜出逢い〜 2 Betula grossa〜出逢い〜 4 Betula grossa〜出逢い〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前