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ひとしずくの排卵
【その他 官能小説】

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-2

 おもての太鼓の音が遠ざかる頃、二人の荒い息遣いだけがあった。
 つながった性器を抜いてみると、放ったばかりの精液がそこからこぼれて、春子の太ももをつたい、尻を這って流れ出た。

「お父さんと私……、愛し合ったんだね」

「痛くなかったかい?」

「そんなことは気にしないで」

「春子」

「うん」

「いつだったか、庭の花壇のところに糸瓜の実が落ちていたんだが、あれは春子がやったんだな」

 春子はどきりとした。

「どこでそんなことを覚えてきたんだ」

「違うの……」

 春子は父に嫌われると思った。

「ごめんなさい、もうしないから……」

 娘が密かに自慰行為をしていたということに、紳一は興奮をおぼえていた。
 そして棚に飾られたこけし人形を手に取り、春子に差し出す。

「握ってごらん」

 春子の白い手がこけし人形を掴む。

「やってみてくれないか?」

 紳一の台詞に、春子は首を傾げる。

「春子がどれだけ成長したのか、それを見たいんだ」

 あのときの糸瓜の代わりに、こけし人形を使えと父は言っているのだ。春子もそれに気づいている。

「ふしだらな娘でも……、嫌わないでいてね……」

 春子はふたたび紳一の目の前で醜態をさらした。
 濡れそぼった部分に視線があたるとまた濡れて、春子は手にしたものをそこにあてがう。

 引っかかりがなく、なめらかにすべっている。
 手つきは幼稚ではあるが、やっていることは大人の嗜(たしな)みである。

 紳一はしっかりと春子を見つめた。
 女独りの営みがこんなにも魅力的だったなんて、紳一でさえ知らない世界であった。

 春子の目がうっとりしている。いよいよこけし人形が体に呑み込まれようというところだ。
 ううっと春子が漏らした。その細い体の中へ、こけし人形がどんどん入っていく。
 もはや春子をあやすための玩具である。

 そうしたまま体を横たえる春子。気持ちがどこかへ逝ってしまいそうになっていた。
 意識の先が見えないのだ。

 出し入れを早めて、逝けるところまで逝ってみようとしていたとき、紳一が春子の自慰をやめさせてしまった。
 こけし人形は座敷に転がっている。

「僕の花嫁になるということは、こういうことだ」

 紳一は春子をそのまま立たせて、乱暴な体位で膣を貫いた。

「ああっ……」

 子宮を揺さぶられ、春子はお腹の張りをおぼえた。膣がやぶれそうに熱い。

このまま気絶したとしても、そばにはお父さんがいる──。

 そんな思いで春子はされるがままに肢体をしならせて、やがて紳一によって絶頂させられた。
 娘がぐったりするのを見届け、紳一もまた二度目の射精を果たした。


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