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二兎追う方法、教えます
【学園物 官能小説】

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兎の決意-8

「フフ、コーヒーの味がするわ」

 俺はもう一度、ツキコを床に押し倒しながらキスをする。
 今度は長めに唇を押し当てて、手を彼女の胸に服の上から這わせた。
 這わせた掌には、ヨウコ程ではないものの、ふっくらした感触があった。
 少し力を入れると、ツキコがかすかに声を漏らす。
 俺は、その開いた可憐な唇に舌を挿しこんでやる。
 ビクリと体を震わせたが、やはり抵抗はしなかった。
 そのままツキコの口腔を貪ったが、彼女の方から積極的には何もしてはこない。
 ただされるがままで、時々ビクリと体を震わせるだけだ。
 しばらくすると、手をツキコのワンピースの下に潜らせた。
 彼女の艶やかな脚の感触が伝わってくる。
 そのままワンピースを捲り、太ももまで到達したところで、ツキコが俺から逃げるような仕草を見せた。

「あっ、ちょっ、ちょっと、待って……!」
「ゴメン、俺、興奮しちゃってさ。やっぱり、嫌だったか?」
「い、いや! そうじゃ、なくて……あの、明るいから……ベッドで」
「そ、そうか……」

 ツキコは俺の体から逃げるように抜けだすと、するりと立ち上がりそそくさとワンピースを脱いでベッドの中に潜り込んでしまった。下着は、まだ脱いでいない。
 あっという間だったが、彼女のスレンダーながらも均整のとれた白い肢体と、淡い水色の下着が少しだけ見て取れた。
 彼女の裸は少々不完全ながらも、携帯の画像で見てしまっているのだが、それでもツキコは見られるのが恥ずかしいのだろうか。
 俺も、着ている服を、トランクスだけ残して全て脱いだ。
 ツキコは俺に背を向けるような体勢で、ベッドの中にいる。
 
 このベッドの中に入って、本当にいいのだろうかと心の何処かで思う。
 こうなると、いよいよ本格的に二股をかけるということになる。
 しかし、この状況でやはり気が乗らない、などと俺が言ってしまえば今後ツキコとの関係はどうなってしまうのだろう。中学の時のような、すれ違って物も言わないような関係に戻るのではないか。それは、嫌だ。
 立ち尽くす俺と、ほんの少し振り向いたツキコの目が合った。彼女の目は少し潤んでいる。
 俺は、やおらベッドに潜り込むと、ツキコの体を抱きしめた。


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