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二兎追う方法、教えます
【学園物 官能小説】

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兎の決意-2

「えっ、あっ、あの――10分くらい、待っていてくれないかしら?」
「10分? なんで?」
「そりゃ、せっかく来てくれたんだし、お茶くらい出さないと失礼でしょう?」
「いいさ、風邪引いてるんだろう? それに、親御さんがいるんだろうし」
「とにかく、待っていて!」

 鋭い声がして、ツキコがバタバタと遠ざかっていく。
 勝手にドアを閉めておいて10分待てとは、一体どういう了見なのか。
 先日の経緯もあって正直俺も少し気まずいから、体調を確認したら帰るつもりだったのだが、待てと言われて帰ったらそれもまずい気がする。
 仕方なしに待つことにした。

 少し周りを見渡してみる。
 ツキコの家は特に変わったところはない二階建ての家だ。
 俺はかつて、この家に来たことがある。中に入ってツキコの部屋で遊んだこともあった。
 それも、もう5年以上は前の話で、当時は男とか女とかの意識がお互いに無かった。
 ささやかな花壇の隅に置いてある鉢植えは、その頃のものだろうか。
 ○○小六年 ハヤカワツキコ、と当時の彼女のやや幼くも整った字で名前が書いてある。
 理科の何かの課程で使った記憶があるが、俺は自分のものをどこにやったか記憶がない。
 ツキコは、物持ちがいいんだな。そう言えば、彼女の着ていたものも中学のジャージだった。
 このジャージを学校で着ていた頃のツキコは、比較的地味だった印象がある。
 まだまだ垢抜けておらず、彼女には失礼だが少々野暮ったくも見えたものだ。
 だが、高校からツキコの中の何かが目覚めたのか、一気に女らしくなった。
 髪はサラサラになって、スカートの丈は適度に短くなり、眼鏡もやめた。
 改めて見ると、かなり痩せ型でメリハリに欠けていた体型も適度にふっくらしている。
 そんな彼女を見て、女の子は変わるものだな、とふと感じたものだがまさか同じ生徒会に入ってくるとは――――


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