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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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四つ葉のクローバー-9

「お前と別れて、なんかもう何もかもどうでもよくなってたんだよな。手放さなきゃお前を壊してしまうのかと思うと、これでよかったって思っていても、気付けばお前のことばっかり考えてしまってさ。

そんな時にあいつが家にきたんだ。『また前みたいに癒してあげようか』って」


咄嗟に二人の重なる姿を想像してしまい、あたしはギリッと奥歯を噛みしめて正座をして丸くなった膝を白くなるくらい握りしめた。


「くるみって、俺の扱い方よくわかってんだ。付き合ってる女のことでうまくいかなくなった頃に、絶妙なタイミングで俺のとこにきて、寂しさを埋めてくれて、だからといってめんどくさい我儘なんて一切言わなくて。

だから、久しぶりにくるみと一夜を過ごすのも悪くないかもって、ベッドに押し倒してキスをした」


耳を覆いたくなる事実にあたしは陽介の顔をまともに見れなくなっていた。


自分だって優真先輩とそういうことをしていたくせに。



「…………」


何も言えないあたしは、膝を握りしめていた手の甲にポツリと熱い雫を落とした。


「今までだったらさ、付き合っている女がいてもくるみを抱くのになんの罪悪感もなかったんだ。どうせ別れたかうまくいってないんだし。特に俺とメグは別れた後だったから、くるみとヤッたって何の問題もないってさ、そう思ってたんだ。……でも」


そう言って陽介は首の辺りを軽く掻いてから咳払いを一つした。


「くるみにキスした瞬間、たまらなく後悔っていうか、罪悪感が襲ってきたんだ。浮かんでくるのは、お前が最後に泣きながら別れたくないって叫ぶ顔ばっかでさ。それ思い出してたら、俺、何やってんだってたまらなく情けなくなって……、そん時にお前が家にやってきて……」


陽介は、そこまで言ってからあたしの隣に腰を下ろして、グッと肩を抱いてきた。


「なあ、メグ。くるみに流されそうになったけど、俺はやっぱりお前が好きなんだ。

諦めるつもりでいたけど、お前がアイツに抱かれたのを想像したらもう気が狂いそうだった。こんなに狂いそうになるくらい自分の気持ちがコントロールできないなら、価値観が合わなくたって、俺の存在がお前を追い詰めていたって、俺はお前とずっと一緒にいたいんだ。

ホント自分勝手なんだけど、もう一度俺のもんになってくれないか……?」


陽介の身体に残っていた煙草の香りがやけに涙腺を刺激して、気付けばあたしは、彼の腕の中で静かにすすり泣いていた。










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