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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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四つ葉のクローバー-10

女慣れしていつもスマートなとこしか見せなかったあの陽介が、こんなにも情けなくてズルい所をさらけ出し、あたしに本音をぶつけてくる。


価値観が違う? 陽介の存在があたしを追い詰めてる?


確かに好きな食べ物も、好きな過ごし方も違っていたし、陽介の側にやってくる女の子達のことを考えれば、メラメラ嫉妬の炎を燃やしていた。


でも、それより強い気持ちをあたしはずっと持っている。


あたしは陽介の胸に埋めていた顔を見上げると、フッと笑った。


「そんなの、こっちのセリフだよ」


「メグ……」


「価値観が違っても、やきもちやいていても、あたしは陽介が好きだから、ずっと隣にいたいの。それほど好きなのに、あんたはくるみさんの嘘を真に受けちゃってさ」


「……ごめん」


「くるみさんの話聞いた時に、すぐにあたしに言ってくれてたらこんな誤解をしなくて済んだのよ?」


「だな」


少し、きまりが悪そうに陽介は舌を出した。


「それなのに、あんたはバイトばっかりして。あたしがどれだけ寂しかったか」


「それは仕方ねえだろ。だから俺ん家で待ってていいって言ってんのに、お前はちっとも来ねえし。だからくるみの言った通り、俺との付き合い方に悩んでると思ってたんだぜ」


「だってくるみさんに、陽介は根がめんどくさがりだから彼女に合わせた付き合いしてると疲れてくるって言われて、どうしてバイトで疲れたあんたのとこに行けるってのよ」


非難めいた視線をジロリと投げ掛けてやると、途端に苦笑いになる陽介。


「なんだ、お互いが不安になって遠慮してたから、こんな絶妙なタイミングですれ違っちまったのかよ」


確かにそうだ。


蓋を開けてみればお互いの気持ちなんて、今までと変わってなかったのに、くるみさんの存在にかき回されて、少しずつ歯車が狂ってしまって。


なんとなくお互いきまりが悪くなって、申し訳なさそうに目を合わせたあたし達は、やがてクスクス笑い合った。




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