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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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四つ葉のクローバー-8

くるみさんの話に苛立って泣きたくなった、あの時の感情は今思い出してもイライラしてくる。


彼女の顔を見るのすら嫌になったあたしは、一時的にトイレに避難したんだっけ。


怒りにまかせてバッグも椅子の上に、スマホもテーブルの上に置いたままで。


「陽介……。あたし、くるみさんと会ってる時、テーブルにスマホを置きっぱなしにしてトイレに行った」


「……マジ?」


黙って頷くあたし。彼女が陽介の電話番号を知るとすればその時しかない。


陽介もピンときたみたいで、大きなため息を吐いてから


「そういうことか」


と呟いた。


――そう、くるみさんはあたしのスマホを使って陽介の電話番号を手に入れたんだ。





それから、陽介が自分の周りに起こった出来事を、昏々と話してくれた。


突然、くるみさんから電話があったこと。


くるみさんから、あたしが陽介とのことで悩んでいると伝えられたこと。


価値観が合わないから一緒にいて辛いと相談を受けたとくるみさんに言われ、あたしから離れた方がいいのか悩んでいたこと。


大学で陽介のクラスの女の子にひどい暴言を吐いたあたしを見て、自分の存在がここまであたしを追い詰めていたって思ったこと。


それで、別れたくなかったけど別れを決意した、ということ。


陽介がそこまで言い終えた時、時間はすでに11時になるところだった。




「以上。俺はお前を嫌いになったから別れたんじゃねえ。むしろ、好きだから諦めたんだ。わかったか?」


「……うん」


でも、あたしには腑に落ちないことがもう一つある。


それは、あの日。優真先輩に抱かれる前、陽介のアパートで見たくるみさんの部屋着姿。


あれはどう見たって、お泊りするためのカッコであって、女が男の家に泊まりにくるってのはそれ相応の意味があるはずだ。


あの時の陽介の気持ち。いったいどういうつもりで彼女と一緒にいたのだろうか。


「陽介? あたし、こないだ陽介の家に行ったときくるみさんがいたよね? あれはどういうことなの」


疑惑の目をジロリと向けるけど、彼は一向に動じないでローテーブルに肘をついてあたしの顔を見つめ返した。


「……嘘は吐きたくねえから、正直に言うわ」


その冷めた声に、あたしはブルッを身を震わせた。




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