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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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四つ葉のクローバー-7

「お前、くるみに相談してたんだろ?」


「は?」


脈絡のない話に、思わず目を丸くしてしまう。


記憶の糸を辿っても、くるみさんに相談なんてした覚えはない。


あるのは、陽介とくるみさんがいかに長い付き合いで、彼女が陽介のことを一番理解していると得意気に言われ、揚句にあたしと陽介は不釣り合いだと言われた苦い記憶だけ。


曲がり間違っても、くるみさんに相談なんてするわけがない。


「お前が俺の電話番号くるみに教えたんだろ。アイツ言ってたぞ、『恵ちゃん、陽介とのことで随分悩んでるみたい』って」


「え、ええ!?」


「『陽介とは価値観が合わない、あたしのしたいデートにイヤイヤ付き合ってもらっても嬉しくない』とかって言ってただろうが」


「し、知らない!! そんなこと一言も言ってないんだけど! 大体あたしくるみさんに陽介の電話番号なんて教えたことなんてあるわけな……」


とんでもない方向に転がっていた話に、あたしは思わず大きな声をあげて説明をしようとした。


すかさず、すぐ横のドアがガツンと蹴り上げられる音がして、思わず身体がビクッと強張る。


共同廊下でおっ始めていた痴話喧嘩は、他人にとっては相当不快なものであったらしい。


そして、あたしと陽介の間に流れる気まずい沈黙。


やがて、陽介がおもむろに口を開いた。


「とにかくここじゃなんだから、部屋に上がっていい? そこでゆっくり話そうぜ」


「あ……、う、うん」


あたしと陽介は思わず目を合わせてから、気まずそうに笑い合った。









「……さて」


勝手知ったるといった感じで、陽介は白い楕円のローテーブルの前でどっかり胡坐をかいてベッドを背もたれにしてフウ、と息をついた。


あたしは若干気まずそうにその向かいに座って肩をすくめたまま。


「どうやら俺とお前の間で、いろいろ食い違っていたみたいだな」


「そうみたい……」


「まず、お前はくるみに俺の電話番号を……」


「教えてません」


そんなの当たり前じゃん。なんでヤキモチやいてた相手にわざわざ彼氏の電話番号を教えるようなバカな真似をするっていうの?


陽介との関係を細かくしゃべるような相手、もう二度と関わりたくないくらいなのに。


その時の情景を思い出していたあたしは、ふと、溜飲が下がったみたいに


「あ」


と、やけにすっきりした声を出した。





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