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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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四つ葉のクローバー-5

一向にレジ袋を受け取らないあたしに、陽介は首を傾げて顔を覗き込んでくる。


泣いてるあたしに気付いた彼はそれを拭おうと、あたしの頬に手を伸ばしてきた。


……けど、それを思いっきりはたき落とす。


そしてぼろぼろ涙をこぼしたあたしは、キッと陽介を睨みつけた。


「なんで、こんなとこにいんのよ!!」


ホントはこんな言葉を言いたいんじゃない。


陽介がここにいて嬉しいはずなのに、出てきたのは詰るような悪態。


あたしに睨まれた陽介は、バツが悪そうに耳の後ろあたりを掻きながら目を逸らすだけ。


あたしがどんな想いで、好きな男を突き放したのか知らないで……。


「昼間、言ったはずでしょ。もう関わんないでって」


涙に震える声は、すでに消え入りそうになっていた。


「メグ……」


「自分からあたしのこと振っといて、やっぱり自分に気持ちがなくなったのがおもしろくないの? あたし、やっと優真先輩と一緒にいるって決断したのに、なんで邪魔すんのよ!!」


なんで、素直になれないんだろう。優真先輩と終わったことを正直に言えないで嘘をついちゃうんだろう。


それでも込み上げてくる怒りは抑えられずに、どんどん口が滑り出す。


「……じゃあ、なんで誕生日なのにお前は一人でここに帰ってきてんだよ」


「……っ、それはっ、今日のデートはお食事だけだからよ!」


「お食事して、さらにコンビニ弁当食うのか? しかもデザートもこんなに」


「夜食よ、夜食!! これから一人でレンタルしてきた映画みながらゆっくり過ごすんだから、あんたはもう帰って!」


あたしはそう言って陽介の手からレジ袋をひったくるように奪うと、その脇をすり抜けようとした。


でもその瞬間、左手首をグッと掴まれ、動きを封じ込められる。


途端に熱を持つあたしの身体。


どんなに抗っても、陽介に触れられただけでこの心臓は簡単に高鳴ってしまう。


悔しい。あたしはやっぱりこんなにもコイツのことが好きなんだと思うと、たまらなく悔しい。


悔しさが勝ったあたしは陽介の方を振り返ることなく、重い口を開いた。





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