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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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四つ葉のクローバー-11

陽介と笑い合うなんて、随分久しぶり。


付き合っていた頃はこんなこと当たり前だったのに、この空間がすごく心地いい。


だから、この時間がいつまでも終わらないように、とあたしはしばらく笑い続けていた。


けれど、その幸せな時間を終らせたのは陽介だった。


クスクス笑い続けているあたしを見ている顔が、やけに神妙になっていたから、笑うのをやめたあたしは彼に訊ねた。


「どうしたの?」


「……お前のためにとは言え、バイトばっかりでお前に寂しい思いをさせて、結局一番大事なもの失うなんて、ホント俺はバカだよな」


「え、どういう意味?」


すると陽介は、ポケットの中から手のひらに収まるくらいの小さな包みを出してきた。


白い布地の巾着袋。それをあたしの目の前に出してきた彼は、


「開けてみて」


と促した。


恐る恐る伸ばした手でそれを受け取り、巾着を開けると、中から現れたのは小さな小箱。


その箱に印字されたロゴは、あたしもよく知る、でも自分で買うにはなかなか手が出せない、ちょっと大人びたハイブランドのお店のもの。


あたしは驚いて陽介を見るけど、彼は早く開けろと言わんばかりにあたしの手元をじっと見ているだけだった。


そして小箱を開けたあたしは、ハッと息を呑んだ。


「陽介……」


「こんなことになっちまって、プレゼントしたって嫌がられると思ったけれど、本来の目的はメグにプレゼント買うためにあんだけバイト入れたんだし、やっぱり用意することにしたんだ」


箱の中に輝いていたのは、銀色に輝く四つ葉のクローバーのモチーフのネックレス。


滑らかな曲線で描かれたそれは葉の部分がハート型に見えていた。


「ホントは指輪でも買ってやりたかったんだけど、サイズわかんねえし、さすがにそれは重すぎるかなって思ってネックレスにした」


陽介の顔はいつの間にか真っ赤になっていて、首の後ろをガシガシ掻いている。


そんな彼を見てると、涙がまた出てきて。


ああ、誕生日なのにあたしは泣いてばっかり。


でも散々流した涙も、最後は嬉し涙。


こぼれ落ちた涙は、陽介の手にポツリ、と落ちた。








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