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止められない
【姉弟相姦 官能小説】

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止められない〜新たな人物〜-1

ここは進藤由紀の部屋。部屋の中には、男女の淫らな香りがほのかに残っている。
セミダブルのベッドの中に横になっているのは、当の由紀と姉の瀬里奈だ。
二人とも全裸のままで、かすかに汗ばみ、情交の後の残る体を抱き合い余韻に浸っていた。
「うーん…どうしよ…」
「……何かあったのですか?由紀」
無意識のうちに出した由紀の呟きに、瀬里奈はしっかりと反応する。どことなく不安げな意が込められていた気がしたからだ。
「いや…このままの状況じゃ、生活きついままだなと思って…」
苦笑しながら由紀は語る。
現在の進藤家の生活は瀬里奈の事務員としての稼ぎと、由紀の描いた絵を売ることで生計を立てている。
由紀は、芸術方向に類い希な才能をもち、風景画や、似顔絵描きなどを始めたが、なかなかスムーズには売れてくれない。
以前は瀬里奈がある資産家に、文字通り「体」を売って、その高額な報酬で大分安定していたが…お互いの愛をはっきりと自覚した今は、もうそんなことは不可能だった。
ちなみにその資産家、郷田重蔵には、知り合いを使って二度と瀬里奈に近づかないように、と「お願い」した。
「いいじゃないですか。多少生活が苦しくても、由紀といられるなら、そんなのは些細なことです」
由紀の発言を天使のような言葉と微笑で封じる。
その言葉を聞いた由紀は、耳まで真っ赤にして黙り込んでしまった。


片山鈴香は家に着くなりすぐに自室に入り、ベッドに勢いよく倒れ込む。
(断られるとはね…)
先の由紀との会話を思い出す。今までこちらから誘って、由紀が断ったことは一度もなかった。
「由紀…」
いざ断られると胸が痛んだ。拒否されることなど考えてすらいなかった。それほど鈴香にとって二人の関係は『当たり前』のことだったのだと今更ながら気づく。
だが、それがなくなると…私と由紀は…
「私は…由紀を…」
そこまで言って、続きが出ない。由紀を、何だろう?好き?…わからない…
答えの出ることがないまま、一日は終わった。

そして、休日を迎えた。
「いらっしゃい由紀ちゃん、瀬里奈ちゃん♪」
「こんにちは泉さん」
片山家の玄関で二人を迎えたのは鈴香の姉、泉である。
いつも笑顔を絶やすことがなく、性格も優しさしかないのでは?と思うような感じだ。
だが、彼女も怒るときはあるらしく、鈴香曰わく、「死ぬぞ」と、ただ一言で表現していた。
「今鈴香が佳奈ちゃん…由紀ちゃんの絵を見たがってる人を迎えに行ってるからね」
「あ、はい…」
「それじゃあ中に入って待ってましょ♪」
片山家に居間で待つこと数十分…ようやく二人が到着した。
『あ…』
鈴香が入室するなり由紀と目が合うが、互いに何となく気まずいものを感じ目をそらし合う。
「……」
そんな二人の姿を瀬里奈はじっと眺めていた。
「由紀ちゃん、紹介するね。こちらは井上佳奈ちゃん。海外でいろいろ仕事してるのよ♪ね?」
泉の独特の紹介に苦笑しながら、佳奈は由紀に目を向ける。
「…初めまして。井上佳奈です。仕事はファッションデザイナーと…まあ後は色々と。絵の鑑賞は趣味なの。よろしくね」
「進藤由紀です。あの…よろしくお願いします」
こうして、由紀の絵のお披露目が始まった。


「よかったですね、由紀!あんなに気に入ってもらって!」「ホント!佳奈さんにあそこまで言わせるのはスゴいよ」
場所は変わって進藤家のリビング。瀬里奈と由紀と鈴香の三人で、今日のささやかな打ち上げをしていた。
結果としては、佳奈は由紀が持ってきた絵の全てを普段の値段の何倍もの価格で買い取った。
佳奈曰わく「何で今まで君の作品が知られていないのか不思議」だそうだ。よほど気に入ったのだろう。帰り際にも、また次も見せてほしいと言ってきた。
またその頃には、由紀と鈴香の微妙なわだかまりも無くなっていた。別にケンカしたわけではないから、当然といえば当然だが。
「佳奈さんの芸術品に対しての眼力は有名だからね。そんな人に認められるのは、やっぱり由紀が本物ってことよ」
「そ、そうかな…」
手放しでそう鈴香に誉められ、さすがに由紀も照れる。
「今日はほんとによかったですねぇ。さぁ、じゃじゃん飲みましょー!」
『おー!』
瀬里奈の音頭とともに、ささやかな宴は続く…


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