妹≠女≠ニ意識した時-2
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ここで少し妹のことを紹介しておこう。
金森林菜、中学二年生。成績はあまりよろしくないみたいだが、陸上部に所属していて中々に脚は速いらしい。
先の会話でわかったとおりのブラコンで、現在着ているのは学校帰りなのか制服である。
あれ?そんなラノベがなかったっけ?
「イチゴのショートケーキとレアチーズケーキ、どっち食べたい?」
豪勢とは言えない夕食(妹の手作りだったが、お世辞にも美味しいとは言えない代物だった)を終え、デザートに二切れのケーキを出された。
……こいつはレアチーズが好きだったはず。
「ショートケーキ」
「やった♪じゃあ私はレアチーズケーキね!」
言うやいなや一分もしないうちにレアチーズケーキを完食してしまう妹。
「もっと味わって食えよ……」
「えへへ〜♪だって美味しいんだもん♪」
嬉しそうにしちゃってまぁ。
「お兄ちゃん、一緒にお風呂入ろ?」
俺がショートケーキを食べ終えたところで、妹がそんな提案をしてくる。
「実家にいる頃は、よく入ってくれてたでしょ?」
「二年も前の話だろ。なんで妹と風呂に入らにゃいかん」
「え〜!いいじゃんイブの日ぐらい!」
「いや、一人で入る」
二十歳にもなって妹と風呂に入りたくはない。
そもそもこいつは気恥ずかしくないのか?
***
そんなわけで一人で風呂に浸かっているというわけなんだが。
「お兄ちゃ〜ん。入るよ〜」
「へ?」
妹が風呂場のドアを開けて、タオルで体を隠そうともせず、入ってきた。
「よいしょ」
年寄りくさいかけ声と共にお湯の中に腰を据える妹。
俺に体を預ける感じで。
妹とはいえさすがにこんなに密着されるとドキドキする。
というかこいつ、二年も会わないうちに随分女の子らしい体つきになったな……。