第7話-1
日本に到着して、空港からは預けておいた車で帰ります。
大きい荷物を持って、電車は大変ですからね。
ナオさんが運転で、私は助手席。
美さきちゃんは寝てしまうので、後部座席です。
「サービスエリアで和食を食べようよ。うどんでも、そばでもいいからさぁ」
「美さきちゃん、半分こにしようよ。なにがいい?」
「美さきは寝てるよ。私もちょっと時差ボケあるもん。
気をつけて運転しないとね」
「あーっ!!美さきちゃんがいない!?」
「やだ!!ホント!?置いてきちゃった!?もう高速あがっちゃったよぉ〜。
ケータイ持ってるかなぁ?あの子のケータイ、国際ローミングができないから
グローブボックスに入れて出国したんだけど…」
「グローブボックスにあります…」
「あちゃ〜。次のインターで戻ろう。
美さき、怒ってるかなぁ。ケーキでカンベンしてくれるかしら?
あの子小さいから、ミラーに写んないのよねぇ」
「そういえば、高速あがるから、飲み物買ってくるって言ってたような…」
「美さきを、置いてくないっ!…」
「「うわぁーーーっ!!」」
「どど、どうして!!今、いなかったのに!?」
「ヤダー!!美さきちゃん怖いっ!!」
「いったいどうやったの!?」
「しゅって…」
「しゅってなに!?しゅってー!?もう、やだー!!」
「美さき、あんたはどこでもそうやって移動ができるの?」
「知ってるところはいける…知ってるひとのそばにはいける…」
「じゃ、NZも行けるの?」
「全部うまくはいかない…帰れないとこまる…」
「あー、ビックリしたぁ。美さきは普通じゃないけど、ここまでとはね」
「山をはしったり、しゅりけんをなげたりはできない…」
「特技だっての?それとこれとは違うよー、美さきちゃん」
「美さきはだれにもいわない…」
「それがいいよ。プリンセス天功のアシスタントをやらされても困るしね、あはは」
「あはは、ってナオさん。これってとんでもないことですよ?
美さきちゃんは地球人じゃないかもしれないんですよ?」
「いいんじゃない?私だって遺伝子組み換え人間だもん。私たちは家族なんだしさ。
そっかー。美さきは異能者だったのかぁ。仲間ができたみたいで嬉しいなぁ」
「そんなのんきな」
旅をするといろんなことがわかります。