星を数えて act.3-5
「幸せなら、いいんじゃないですか?」
そういうのが精一杯。
「仕事戻りますね」
覚悟してたことじゃない
そういう人ってわかってるじゃん
泣くな 泣くな!!!
「……ッッ」
ぎゅぅっと左腕をつねる。涙を堪えきれた私は、ゆっくりつねる右手を離すと、赤い痣が残っていた。
わかってる
わかってるけど
私だって崇のこと好きだよ
私だって……
崇━━━━……
空もいよいよ暗くなってきたころ、彼はまたやってきた。今度は歩いてきたらしく、濡れた傘を持っていた。
私はわざと気付かないふりをした。黙々と仕事を続ける。
「店員さん、友希知らね?」
あちらにいます、と指をさし、また商品を整理する。
店員さん、か……
自分の都合のいいときは『叶』って呼んだくせに